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そらとゆめ  作者: 白石来
6/10

 パルコの いずみで、 どうぶつたちと しばらく おしゃべりしながら、 そらと ゆめは、 たまごと ハムと レタスの サンドイッチを たべました。


 『おもいやりの あかし』について、 シフゾウの ピットが、 もりいちばんの ものしり、 フクロウの ソロモンを たずねたらいいよ、 と おしえてくれました。


 そらと ゆめは、 クッキーと ドーナツを どうぶつたちと わけあいました。 いちごは、 ゆめが ぜんぶ ひとりじめしました。 おせんべいは おなかが いっぱいになったので、 とっておくことにしました。



 どうぶつたちと バイバイして、 そらと ゆめは ソロモンの すみかに むかいます。


 とちゅうで、 また、 ゆめの こえが しました。 こえの するほうを よく みてみると、 こえの ぬしは、 ヨウムの リューゲでした。


 リューゲは、 おどけて いいました。


 「にいに、 だまして ごめんね!」


 そらと ゆめは、 おおわらい しました。



 ソロモンの すみかは、 ネグラの もりで いちばん おおきな、 ぼだいじゅの きの ()()でした。


 そらと ゆめは、 しばらく おおきな ぼだいじゅを みあげていました。 はっぱの あいだから つきあかりが もれ、 きらきらと じめんを てらしています。


 「よく ここまできたね、 ふたりとも」


 ソロモンは、 ふかい いどの そこから きこえるような、 くぐもった こえで いいました。


 「『おもいやりの あかし』を さがしてるんだ」


 そらは さっそく たずねました。


 「ふむ。 なかなか むつかしい しつもんじゃな。 『あかし』は、 そのものの かちを しょうめい するもの。 すなわち、 それは、 たいそう きちょうなもの でなくてはならん。 たいそう きちょうなものと いえば、 あれしか あるまい」


 「あれって なあに?」


 ゆめが たずねます。


 「うむ。 あれとは、 すなわち、 まほうの すずだ」


 「まほうの すず?」


 そらと ゆめは、 どうじに ききかえしました。


 「さよう。 ねがいを ひとつだけ かなえてくれるという、 でんせつの りゅう『ミー』を よびよせる、 まほうの すずだ。 ミーが すきな ねいろを、 その すずは かなでることが できる」


 ソロモンは、 むねの はねを ふくらませ、 かためを つぶりました。


 「まほうの すずは、 どこに あるの?」


 「かぜの あつまる、 ビエントの たにに、 おおきな スズナリノキが ある。 その てっぺんに、 まほうの すずは ある」


 ソロモンは、 みなみの ほうがくを みて、 いいました。


 「ただ、 いまは よる。 わたしは、 やみの なかでも よく みえるが、 きみたちは ちがうだろう? いま やるべきは、 ぐっすりと ねむることだ」


 そういうと、 あたたかい ミルクと、 きのみの オートミールを、 ふるまって くれました。


 ふたりは、 きれいに たいらげ、 ソロモンの はねに くるまって、 ねむりに つきました。


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