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のに さく はなは、 そよかぜに ゆれ、 おがわは さらさらと、 すずやかに ながれて いきます。
そらと ゆめは、 でたらめな うたを くちずさみながら、 いっぽんみちを すすみました。
しばらく いくと、 むこうから、 シロイワヤギの ペトラが やってきました。
「やあ、 そらと ゆめじゃないか。 ふたりだけで どこに いくんだい?」
「おつかいだよ。 『ゆうきの あかし』を さがしてるんだ」
そらが こたえました。
「『ゆうきの あかし』ねえ…。 もしかしたら、 あの はなの ことかも しれないな」
ペトラは、 めを ぱちぱち させたあと、 おもいだしながら、 ゆっくりと はなしだしました。
ー あれは、 おおあめの あとの、 よく はれた ひの よるだ。
ぼくたち シロイワヤギは、 きりたった がけも、 なんのその。 いつも、 やまの たかい ところで くらしている。
あのひも、 がけを おりて いたんだけど、 とちゅうで、 いちりんの はなを みつけたんだ。
なんと、 その はなは、 くらい よるのなか、 きんいろに かがやいていた。
ぼくは、そのはなに みとれて、 がけから おっこちちゃったよ。 くさむらに おちたから、 けがは しなかったけどね。
きっと、 あの はなが『ゆうきの あかし』さ。
そらと ゆめは、 ペトラの はなしに、 だいこうふん。
「きんいろの はな、 かっこいいー!!」
「ゆったん、 ぴかぴかの おはな、 ほしい!!」
さっそく、 ペトラに、 そのはなの さいていた がけまで、 つれていって もらうことに しました。
「たしか、 このあたり なんだけど…。 した からじゃ、 よく わからないな」
ペトラは、 がけを みあげて、 そう いいました。
「おれ、 のぼってみる」
そらは、 やるき まんまんです。
「ゆったんもー!」
「ゆめは あぶないよ。 ぼくと したで、 おはなつみ しようか」
ペトラが ゆめを さそいますが、 ゆめは ききません。
「ゆったんも、 のぼるの!」
そらは、 ゆめの まえに きて、 しゃがみました。
「この いわを さわってごらん。 つめたくて、 おっきいでしょ? ゆめの おててで のぼれる?」
ゆめは、 てのひらで、 いわを ぺたぺたと たたいてから、 じぶんの てを みつめました。
「のぼれない!」
ゆめは、 にこっと わらうと、 ペトラの ところへ かけだしました。
そらは うでまくりして、 いわに てを かけ、 がけを のぼりはじめました。