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『クスッと笑えるシリーズ』

右から洋介と左から純。第4ラウンド

作者: あきらさん

「クスッと笑えるシリーズ第14弾」です!

退屈だと思った時に、バカな2人を見て楽しんで下さい!!

「洋介。俺、前から不思議に思ってた事があるだけど、夜に牛乳飲むと眠たくなるじゃん」

「うん」

「でも、コーヒー飲むと寝れなくなるじゃん」

「うん」

「じゃ、夜にコーヒー牛乳飲むとどうなんだろ?」

「おしっこに行きたくなる」

「もう良いや。聞いた俺がバカだった……」

「大丈夫だよ純。俺の方がもっとバカだから」


 全然慰めになってない洋介の優しさが、逆に嬉しかった。


 何とか()()()()()()()()である、五流高校に合格した俺達は、とりあえず入学式を終えて、教室に向かう所だった。


「俺、純と一緒のクラスで良かった」


 そう。俺と洋介は偶然にも同じクラスになった。

 県下でも有名なバカ学校だったが、何にせよ俺達は、高校に入れただけでも万々歳なのだ。


「俺も洋介と一緒で嬉しいぜ」

「純は、俺とカレーだったら、どっちが好きだ?」

「比べられねーよ」

「じゃ、カツカレーと俺だったらどっちだよ」

「それだったら、カツカレーだろ! 俺、カツ丼とか好きだし」

「なんだよそれ! じゃ、チーズカレーと俺だったら……」

「何でカレーばっかりなんだよ! 心配すんなよ! 俺は洋介の事、大好きだって!!」


 廊下で喋りながら歩いていた俺は、つい大声でつっこんでしまった。

 特に最後のフレーズは声が響き渡り、廊下にいたほとんどの生徒がこちらを振り返えるほどだった。

 公開ゲイ発言のように聞こえてしまった俺の言葉は、皆の心にも響き渡ったようで、悪い意味で鮮烈なる高校デビューを飾ってしまったようだ。


「すげー! 席も純と隣同士だ! 俺達って双子なのかな!?」

「違う! 双子は生まれた時から一緒だから!!」


 否定はしたものの、実は俺も陽介とは何か運命的なものを感じていた……


「そこの二人、うるさいわよ!」


 注意したのは俺達の担任、百ヶ崎(ももがさき) 糊子のりこ先生だ。


「なぁ純。あの先生、ミニオンズに出てた?」

「出てないと思う! 黄色い服来てるだけだから!」


 初日に黄色い服着て来る先生もどうかと思うけど、バカ学校なだけに何でもありなんだろうか……


「でもあの先生、どっかで見た事あるんだけど……」

「俺は見た事ないぞ。洋介は知ってるのかも知れないけど」

「思い出した! 昨日母ちゃんと買い物に行った時に買い忘れたのって、ベーキングパウダーだ!!」

「何の話!? 急に話、飛ぶなよ!! あの先生、どっかで見たって話じゃないの!?」

「だからそこの二人、さっきからうるさいって言ってるでしょ!」

「す……すみません」


 たまに洋介は話がとんでもない方向に行く……

 たまにではないかも知れないが……


 一通り先生の話が終わり、とりあえず休憩時間になった。


「思い出した!! あれ、24時間テレビのTシャツだ!!」

「着てるか!! 入学初日に、24時間テレビのTシャツ着てくる先生なんか居ねーよ!! それだったら俺も分かるし!! っていうか、見た事あるっていうのは先生の話じゃないの!?」

「最初はそのつもりだった」


 何か、遊びのつもりだったのに本気になってしまった恋愛のような答えだった。

 初日から洋介はエンジン全開だったが、ある意味俺は、今後の学校生活が楽しみになった。

読んでいただき、ありがとうございます。あきらさんです!

短編ですが、連載モノにもなっているので、軽い気持ちで読んでみて下さい!


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