舞い舞いランドスケープ
浮かんだ黄金色
ゆらりとゆらりと
風に誘われ
パッと開く夕陽
畦道を歩く
幽霊色の服
半透明を影にして
そこには誰も居ない
居ないから神秘で
恐怖に繋がる
捉え方だというのなら
囚われ方だと言うてみよう
キラキラする虫が
羽音を立てて
ふわるんとふわるんと
飛び行き
空中で交差する
何ら思惑は無く
すれ違う
作られた物語は
誰かの空想
架空という武器は
架空という敵に負ける
追加で歩いた
海辺の道は
夕陽の明るさが
水面に映り
シルクの照りと
近い感触を
目に貼り付けさせた
忘れる前に作る
てるてる坊主
吊り下げる糸は
雨を降らせる為に
グレーにした
雨音は香る
傘の下でも
車の中でも
玄関先にまで
特有の香りを運ぶ
雨が降れば
濡れるのは当たり前だから
その香りを
服に染み込ませ
手ぶらで歩いた
冷たくなってから
温まる身体は
生きているからだ
廃線の跡は
違う形を選べなかった
残骸に近い
枕を忘れた寝床みたいに
一つ足りないのだが
足りない物が
重要であればあるほど
悲しみは広がる
足りない人間が言うのだから
間違いでは無い
行動には
必ず何か足りない
それは努力でも同じであり
天才にも言える事だ