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感謝と呪詛
わざわざ人の家の敷地に入り、わざわざ人の家の物を盗んでいく輩がいる。
そう、うちのホースが盗まれた―― 何故だ! …… いや、いるもんなんですね本当にさ。そりゃあ高価なものでもない。使い終わったあとにちゃんと片付けてなかった自分も悪いだろう。まあしかし、ここで「うちは大丈夫だなんて甘い考えでいるからだ!」と気付かせてくれたのは有り難いが、それを教えてくれた輩にむかついてしょうがない。人の家のもの盗むなよ! 敷地に勝手に入ってくるなよ!
返してくれとはいわん。返してくれとはいわないが、怖くて家を空けられなくなったこの気持ちを犯人も味わえばいいのに、と思う。意味なんかないのにインターホンのモニターで外の様子探ってみたり、玄関に用もないのに電気を点けにいったり、夜は侵入して来るんじゃないかと眠れなくなったり。
コノヤロー…同じ思いしやがれ! と、呪いながら盗られたのがホースだけでよかったと安心するのでありました。