(•ө•){小説というものを読んだ後に)
“なろう”ではなく“ムーン”に投稿されてある作品なのですが、心に沁みる小説というものを読んだような気がする。
当然、ムーンの方だと言われたら「エロがある」、「エロの巣窟」だと思われるだろうけど…そうなんだけど、大抵は読んでいるとき『本編と切り離されたもの』または『おまけ』の感覚だ。そこまでしてエロエロしてなくていいのに、とか失礼にもそんな気持ちで読んでいることが多い。好きだけどね。
でも、つい先程読んだのは違ってた。恋愛するってこと、何故身体を繋げようとするのか、その行為の大事さが綴られた言葉の隅々までに広がっていて思わず涙ぐむほどに心を揺さぶられてしまった。
内容が、重いとか、シリアスだからということも大きいだろうけど、家族愛、兄弟愛など様々な愛情が積み重なって読んでいる私に訴えかけてくるのだ。
素朴であり、純粋であり、ときにぎゅっと胸を掴まれ苦々しい思いにさせて、でも作者様が表現する愛情に包まれる。序盤は寒々しく寂しく何もなかったのに、気づけば物語の主人公のようにこちらも深く、幾重にも温かいものに大事にされている。
ハッピーエンドでほっとするが、もし、主人公が片思いに終わってしまったとしても、この作者様の決めた終わりなら納得出来る。そんな安心感さえ与えてくれる作品だった。
そして、これが小説であり、以前疑問に思っていた純文学にあったなら納得するだろう。
いいものを読んだ。
最後にありがとうございます、と言いたくなるものが自分の求める書きたい小説の形なんだろうと植え付けてくれる有意義な時間だった。