35 -女神と咎人- あとがき
第三十五話 女神と咎人 終わりました。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
月の女神 アルテミスから知らされた真実……ディアナの正体が判明しました。
その正体は、かつて月の女神 ダイアナ。
ディアナの正体と関係性を初登場時から、ずっとこの話になるまで隠し通してきた感じですね。
蒼輝と奈樹の二人がディアナについて思い返したシーンでは語られていませんが、15話目で蒼輝とサツキと買い出しに出たディアナとブラックは、月花とすれ違っているんですね。
そこでディアナは、月花に対しての何かしらの反応を示していました。それは前世の記憶が無くとも直感的なものを感じていたからということですね。
月花が『黒猫』と呼ばれ、ブラックの姿は『黒豹』。さり気なく親子という接点を感じさせられたのではないかなと思います。
この話で正体を明かす時まで、ディアナは多くの行動を取ってきましたが……ようやく明かせたことに嬉しさを感じています。
今までこの作品で積み上げてきた、キャラクターの真相の一つであり、長かった伏線を回収した瞬間です。
紫闇と澪もディアナの前世である、ダイアナの四使徒であったことが判明。今後の二人の動向が気になるところですね。
そして、とうとう出てきたワード『蒼咎の運命』。
この作品の題名である『蒼咎のシックザール』。シックザールはドイツ語で『運命』という意味で、この言葉から。
今後、この蒼咎の運命というものが、一体どういうものか……いずれ判明します。
キャラクター&用語 紹介のコーナー
・瞋恚の月光
衣服を変形させることで武器となる月の宝具の一つ。ドレスアップすることで状況に応じた服装に変化し、様々な武器を扱うことができる。
瞋恚とは怒りという意味。ムーンライト(げっこう)の名を持つダイアナに相応しい名の宝具。ダイアナは笑顔と元気を象徴するかのような女神だったが、彼女でも何かを守るために戦い、怒ることがある。
ドレスアップにより衣装を変える。それは殻を被ることで、怒りに囚われえず、自身の本心を隠すことができる。大好きな衣装を身に纏うことで、ダイアナの心は憎しみ、怒りに染まることはない。
その心はディアナとなっても変わらず、この意志は月光嗔の名に受け継がれている。