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蒼咎のシックザール  作者: ZERO-HAZY
第四章 銀の鎖と空の鏡
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35-A -女神と咎人-

 月の女神アルテミスと月の(みやこ)へやってきた一同(いちどう)。月花は、かつての『(つき)四使徒(しと)』の仲間であるセレーネと再会した。



 蒼輝(そうき)奈樹(なじゅ)はアルテミスの部屋に居た。アルテミスの部屋で奈樹なじゅの力を検査けんさしている。これは奈樹が暴走状態となってしまうことに(たい)する原因を探るためであった。

 神なら何か知っているのかもと思い、頼んだのである。アルテミスは奈樹の頭に触れ、力を探っている様子だった。


アルテミス「この力は……」


 奈樹から手を離した。


蒼輝「……奈樹の血の正体って……?」


アルテミス「……」


 アルテミスは深刻しんこくな表情をしていた。そして目を閉じ、大きく深呼吸をした。


奈樹「あの……」


アルテミス「私から貴方のことについて教えられることはありません……」


奈樹「……どうして…ですか…?」


アルテミス「いずれ……ることになるからです。私から言えることは、ただ一つ……それは」


蒼輝「……」


アルテミス「『蒼咎(あお)運命(うんめい)』……金雀児(えにしだ) 奈樹(なじゅ)。貴方はその運命の(もと)にあり…呪縛じゅばくから解き放たれるには、その運命をになう者が必要となります……」


奈樹「蒼咎(あお)の……運命……?」


 始めて聞く言葉に、聞き返すしかなかった。だが……。


アルテミス「私から詳細を教えることは出来ません。そういった……決まりなのです」


奈樹「決まりとは……?」


アルテミス「古くからそう言われているのです。蒼咎(あお)の宿命の元にある者に、その詳細を伝えてはならないと……」


蒼輝「ふーん……。とにかく……奈樹の血が、その蒼咎あおの運命ってヤツと関係してるってっことだろ?」


アルテミス「はい。そういうことになります」


蒼輝「何があるか知らないけど、それを担う者が必要ってんなら、それは俺の役割さ。奈樹は俺が守るんだからな」


奈樹「蒼輝……」


 蒼輝はニッと笑い、奈樹はその様子を見て微笑んだ。アルテミスは、そのしあわせそうな二人の様子を、悲しげな瞳で見ていた……。


蒼輝「しかし月に来たんなら、ディアナも連れてきてやれば良かったな。マジでウサギがいたんだからよろこんだだろうな」 


奈樹「クスッ。そうね。『ホラー! やっぱりウサギさんは居たんだよー!』って言いそうね」


アルテミス「ディアナ……。そのディアナと言うのは……?」


 アルテミスは不思議(ふしぎ)そうな表情をして質問をした。


蒼輝「俺達の仲間だ。コスプレが好きな子でなぁ……いつも『月にはウサギさんがいるー!』 とか信じて止まないんだ」


アルテミス「私が地上に行った時……どうして貴方達と一緒に居なかったのでしょうか?」


蒼輝「まぁ子供だからさ。こっちは緊急事態きんきゅうじたいだってのに、夜だから眠いって寝てたんだ」


奈樹「島の危険ではありましたが、ボディガードが居る上に……先日、凄く強力な力を持つみおさんと言う方がディアナさんと同居を始めて……」


アルテミス「澪……!? その者はもしかして……金色の瞳をしているのでは……」


奈樹「澪さんのことを知っているんですか!?」


アルテミス「……まさかとは思いますが……その質問に答える前に、一つだけ聞かせて下さい。貴方達は私を見たときに悪魔や天使なら(おどろ)かないと言っていました。……そのディアナという者の知り合いに……悪魔が居たり…しませんか?」


蒼輝「あぁ、紫闇しおんのことだな。悪魔の知り合いならいるぜ?」


アルテミス「っ……!」


 アルテミスはおどろいて目を見開いて、絶句ぜっくしていた。奈樹はその様子から、自分なりに人物の関係図を整理せいりして推測すいそくしていた。そして……今まで何ともないと思っていた出来事と、今まであった違和感いわかんが、まるでパズルのピースが一つ一つ当てはまるかのように解決していった……。


 そして……その答えをアルテミスが言い放った。


アルテミス「……間違いありません。そのディアナという者は……」


 蒼輝と奈樹に、女神から真実をげられた。そして、アルテミスは過去を語り始める……。


アルテミス「私の親友である者……。私と共に都を作り上げた者……月の女神 ダイアナの生まれ変わりです」 

 

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