第三話
大変長らくお待たせしました。
2月中はリアルが多忙のために投稿が遅れました。
遂に第三話です、今は大分落ち着きましたので週一更新出来ると思います。
これからも頑張りますので応援よろしくお願いします!
今日正式サービスが開始されてゲームにログインしたのは良いいものの…いきなり変な面倒事に巻き込まれてしまった。
初日早々にまず何でVRMMOをやったこともないのに決闘するはめになるとは思わないだろう…
「捺葉姉?どうやったら、あれだけ人を怒らせれるの?」
端から見れば顔を真っ赤にして本気で怒っている相手のプレイヤーの名前はスカッシュというらしい…
(凄え…なんかレモンスカッシュみたいで少し笑いそうになった…ネーミングセンスなさ過ぎだろ!!?)
これ以上下手に要らぬことを考えると今にも吹き出してしまいそうなのでこの辺りで考えるのを止める。
「おいっ!なんだよ!早くしろよ!決闘する気があるのか…無いのかはっきりしやがれ!まぁこの俺様と勝負したらまず勝てないだろうし、別に逃げても誰も責めたりしないから安心しな!まぁねぇちゃんが決闘しないのなら、そこのねぇちゃんに決闘してもらうから構わないけどな…それに別に…お前ら可愛いから、俺と同じギルドに入って一生俺に逆らわないと誓うなら…まぁ無かったことにしてやるよ!げへへへへ」
「兄貴、それ最高っすね!えへへ」
「こんな可愛い女の子が二人もギルドに入ってくれるなら本当に最高だな!ぐへへへ」
……うわー、マジで引くわ…こいつら捺葉姉の言ってた通りだよ…うんゴリラだ…普通に人間じゃなくゴリラだ…!しかも俺の事マジで女の子だと思われてるし…マジで鳥肌立ったんだけど…て言うか、一生逆らわないとかいう条件なんか飲む奴なんて居るわけ無いだろ!普通!馬鹿じゃねえの?……けどまぁ好都合だ…これで上手く初心者なんですって言ってスキル構成の時間を貰ってひねり潰してやる…それに、VRMMOでの対人戦闘のやり方を初めのうちに覚えておいて損はないしね。
「先ほどはすみませんでした…謝ります…それで…あの…僕たちVRMMOが初めて何です…だから…決闘するのは…明日でも良い…ですか?」
正直こういう男なんてちょっと上目遣いで懇願するようにお願いすれば大体照れて承諾してくれる…こいつらも例外ではなかったみたいだ…
「お、おう…そうか…初心者なのか…な、な…なら…尚更俺たちと一緒にやろうぜ?俺たちこれでも結構VRMMOはベテランなんだぜ?」
「そうだよ、そうしろって!」
……気持ち悪いので…早めに撤退したいんだが…すいません、もう呼吸しないでくれますか?環境破壊です…
「あ、いえ決闘はしますので、明日まで待って貰えれば…それだけで大丈夫ですので…明日この場所に夕方5時でお願いします…それじゃ…失礼します…」
それだけ言い残して捺葉姉の手を強引に引っ張って一気に林檎の待ったいる噴水の所までダッシュで向かう、そして、林檎と捺葉姉と【クロススキルオンライン】内でのフレンド設定をしてすぐに今日は3人で落ちた、本当は今日中にレベル上げなどをしたかったのだが…あんなことになってしまったのではもう今日は無理だろう…かなり目立っちゃったし。
そして、現実の俺の部屋に戻ってきたのを確認して安堵した。
それから、3人で今後についてを話し合うことにする。
「捺葉姉、なんであんなことになったか分かる?」
俺が今日の出来事の原因を捺葉姉に聞いてみると…。
「え?全面的にあいつらが悪いんだから…別に正論を言っただけだよ?だから、私は悪くない…うん」
とまぁ今日の出来事を引き起こした張本人は仰っているのだが…確かにあいつらも悪いとは俺も思うし、マナーも悪いと思うが…それ以前に…。
「捺葉姉の返答の仕方が今日起きた出来事の最大の原因だよ…!それに頭にきたのは分かるけども、あれはやり過ぎだし!俺が止めに入らなかったどうするつもりだったの?」
俺が説教ムードになっているとようやく気がついた捺葉姉はシュンと縮こまってしまったが、ここで甘えを許すとこの姉はまた同じことを何回も繰り返すため、こういう出来事があった時にはきっちりと厳しく言わなければ駄目なのである…本当にこういうところは林檎の天性の才能とどっこいどっこいなのだろうと常々俺は思う…捺葉姉がこれだと、林檎もナンパされる可能性がかなり高いのだが、林檎はここでも、天性の才能を発揮するのであまり俺は林檎が原因で説教をすることはまず無いと言っても良い。
何故かというと林檎はナンパ確かにされるのだが、まぁそこは俺の可愛い妹の林檎だ…天性の本能?かここではに従い…返答するのだが…いやー流石だな俺の妹はまぁそれはそれは会話が続かないというとんでもない現象が何故か起こってしまうのだ…理由はいまだに俺も分かったいないのだが…。
そうだな…例えば林檎に「君凄く可愛いね…ねぇねぇ…ちょっと遊びに行かない?」と林檎に声を掛ける猛者がいたとしよう…するとまぁ普通の一般高校生ならば…「えぇぇ…そんないきなりそんなこと言われても困ります…」とかありきたりな事を口走ってしまうものだが…そこは俺の妹の林檎だ…その予想を遙かに超えていく…林檎が先ほどの言葉を掛けられた場合…「私の可愛さって何なんでしょうか?私は全然可愛くなりたいと思ったことはないのに…あっ!すいませんそこの人…私はどうすれば可愛さということを理解できるようになるのでしょうか?教えてもらえませんか?どうかお願いします…申し訳ありませんが遊びに行くというのはこの私の中の疑問が解消されてからでもよろしいですか?」となっていたりする……うん、なんか恐ろしく会話が成立していない気がする…何故君凄く可愛いね…遊びに行かない?で自分の可愛さについてをナンパ相手に聞くんだよ!?それにその後に可愛さを理解するまで遊びには行けれませんがってそれっていつ頃になるんだよ?……本当に何故このような言葉がナンパ直後にすんなりとすらすらと仕組んだわけでもなく…素の状態で頭の中に浮かんでくるのか…林檎の考えていることを一度で良いから覗いてみたいものだ。
「…お兄ちゃん、もういいじゃない…みんな大丈夫だったんだし…ね?」
うーん、さっきの話をした後にこの林檎の飛び切りの笑顔を見てしまうと本当にわざとしていないのか疑問にも思うが…これがわざとでもなんでもないのだから、恐ろしいものだ…。
「あ、あぁまぁそうだな…今回はこれぐらいで許してあげるけど…良い?捺葉姉これからは気をつけてよ?特にVRとなるとこういうのがかなり起きたりするからさ…俺は林檎も捺葉姉も心配だから言ってるんだよ?本当に…」
それにしても良かった…二人がちゃんと見つかって…これからVRゲームをプレイしていく上でも上手く俺がレクチャー出来るか分からないし、俺がログインしていない時にもし、何かあったらとか思ってしまうから…こう考えると俺って過保護なんだろうな……。
「もう、なぁーんだ…夕君心配してくれてたから今日はそんなに怒ってたのか……お姉ちゃん謝る…ごめんね夕君…」
「…お兄ちゃん…そうだったんだ…ごめんねお兄ちゃん…心配してくれてありがとう!」
ついつい、本音をこぼしてしまったが、それを聞いた二人には俺の葛藤や気持ちがどうやら何となくは伝わったらしい…。
「……よし、いつまでも気分を下げてもしょうがないから…今日は外食に行こう!俺の奢りだー!」
俺が気分を盛り下げてしまったため、気分を戻すために外食に行こうと提案すると…。
「やったー夕君太っ腹ー外食…外食…ねぇねぇ、何食べに行くの?焼き肉?ラーメン?それとも寿司?なんならファミレスでも良いよー!!」
「本当に!?やったーお兄ちゃん大好きー!!」
さっきまでの下がった気分はどこにいったのか二人は…目を爛々と光らせて俺の予想を超えた喜びを示してきた…。
「お、おう…じゃあ?二人はどこに行きたい?俺はどこでもいいから、二人で話し合って決めてよ?」
俺は本当にどこに食べに行っても良いから…二人に選択を任せたのだが………どうやら二人の意見が食い違っているようだ………。
「お姉ちゃん!こんな日にラーメンとか焼き肉はないと思うよ!焼き肉だと……匂いが付くし…」
「あまいよ!林ちゃん!こういう時だからこそ焼き肉や、ラーメンなどを食べにいくのが良いんだよ!」
「でも、それなら私は普通のレストランかさっきお姉ちゃんが言ってたファミレスが良い!」
「ぐぬぬ…確かにファミレスとは言ったけども…今日はラーメンか焼き肉の気分なんだよ!」
「けど…!」
「うがー」
……なんだこの会話は…どこの子供の会話だよ…まるで捺葉姉が駄々をこねる子供で林檎がそれをあしらう母親みたいになっている気がするんだが…本来なら林檎が駄々をこねる方になるのが年齢的には当たり前だと思うのだが…流石は捺葉姉だな…俺の一つ上の姉さんだと思うと頭が痛くなる…それに反対して林檎は俺の二つ下とは思えないんだよなぁ、なんせまだ高校生なのに普通に慌てることも少なく常日頃は冷静だし…何故にこうも二人は対照的なのか、逆にどうして俺はこんな対照的な二人の姉妹がいるというのにこれといって突飛な才能や本能を持っていないようだから…それが不思議でならない…心の中ではいつかどんな突飛な才能や本能が表に顔を出すだろうかと少し不安になっていたりするのはこの二人には秘密だ……。
「むぅぅぅ…」
「ぷぅぅぅ…」
しかし、そろそろ二人の言い争いが惨めに見えてきたので流石にそろそろ止めることにするか…!
「はーい…二人とも…こうなることは半分ぐらい想定はしていたけど…そこまでにしておきなさいよ?ただ外食に行くだけなんだからさ!もうちょっと落ち着きなさいな!」
二人して顔を赤くして頬を膨らませてお互いの意地の張り合いをしているのは近くで見ているとかなり…可愛い小動物同士のじゃれ合いみたいな雰囲気を空想させるが…流石にそろそろ止めなければ行けないし、外食に行くのだから…帰る時間帯も含めればそろそろ家を出ないと時間がなくなるし…。
「二人とも?それならもう…ファミレスで良いだろ?捺葉姉も最初は「ファミレスでも良いよーー!」って言ってたんだし林檎もファミレスが良いんだろ?」
「確かにそう…言ったけどさぁ…私は今日折角の外食なんだし、焼き肉が良いんだけど…」
「うん、私はファミレスが良いよ…焼き肉はあんまり行く気になれないし…」
「あぁそうか…二人の意見が食い違うならさ…今日の外食は止めにしようかなぁ?」
二人がしょーもないことで言い争っている時にはこの方法が一番効果的だ…今日みたいにあまりのも意見が割れる時は二人の責任として両成敗にして中止にするぞと言えば二人は外食に行きたいから、見事に意見を合わせてくる…よほど中止になるのが嫌なんだろうな…と毎回毎回思うんだけどな…。
「えっ?それは無しだよ、お兄ちゃん」
「それはずるいよ…いくらなんでもー」
まぁいくらなんでもそれは可哀想だなと思うから流石にそこまではしないけどね。
「分かった…ってじゃあどこに行きたいんだよ?外食…」
「…分かった…ファミレスで良いよお姉ちゃんが妥協するよ…」
「やったー決まりだね…お姉ちゃん大好きだよ!」
……どうやら、結局あーだ、こうだ言っていたのにファミレスになったようだ…まぁ俺はどこでも良いんだけどな…
「はいはい、じゃあファミレスで良いんだな?」
「オッケー!ばっちりだよー」
「うん、お兄ちゃん早く行こうよ?時間なくなっちゃうよ?」
二人して決まるとすぐに行動したがるのは…やはり二人が似た者同士だからなのだろうなぁ…と思った…。
その後3人で近所のファミレスに行って談笑しながらご飯を食べている時に、そう言えば明日には決闘が控えているのに気が付いたので…林檎と捺葉姉に【クロススキルオンライン】で選んだスキルについて聞いておこうと思ったのだが…捺葉姉はなんか適当に表示されていたスキルを適当に選んだよ?と言ってるし、林檎に至っては俺と同じでスキルはまだ選択していないと言う状態になっているのを知って絶句して、その後に一人【クロススキルオンライン】にログインしてスキルを選択するのに悩み悩んだ末に…俺が出した決断は……。
____翌日決闘当日の日
決闘約6時間前
「林檎…ちょっと話があるんだが…良いか?」
「え?どうしたの?…お兄ちゃん?……改まって…」
ん?なんで林檎は顔を赤くしてるんだ?まだ何も言ってないのに…
「そんな……急に…そんな事……いきなりなんて…お兄ちゃん…」
「昨日考えたんだけどさ…捺葉姉はスキルをもう選択してるから仕方ないけど…林檎はまだスキルを選択してないだろ?だから、もうガチでやり込むつもりはないんだから、いっその事スキルを一緒のやつにしないか?その方が俺もレクチャーしやすいしさ…!」
あれ?いま会話が重なったから林檎が何か言っていたけど…何を言ったんだ?
「お兄ちゃん…そんな…でも…お兄ちゃんが…良いなら……その…林檎も良いよ?……兄妹だけど…わたし…お兄ちゃんの事……」
「おーい?林檎さーん?聞いてる?」
林檎はポヤポヤ〜としてもはや自分の世界に入っているようでこちらの話は頭に入っていないようだ…。
「おい?林檎!?戻ってこーい?」
頭がポヤポヤしている林檎を正気に戻すために猫騙しをして林檎を現実に引き戻すと……。
「ほぇ〜!?あれ!?お兄ちゃん!?なんでそんな顔が近いの?えっ?えぇぇっ!?夢がほんとに叶……っ!?」
ピンッ
どうやらまだ正気に戻ってないみたいなので林檎にデコピンをくらわしてみる。
「あぅぅぅ…痛い…お兄ちゃん…」
うぅぅとデコを摩りながら半分涙を溜めてこちらを見てくる林檎の姿が出来上がった。
「ふむ、やっと正気に戻ったみたいだな…」
「ほぇ!?」
さて、俺の優秀な妹はどこまで覚えているだろうか…あれだけ自分の世界に入っていたから、大丈夫だろうかな?
「さて?林檎さん?ちゃーんと話は聞いてましたよね?」
あれだけ自分の世界に入っていたんだから聞いてるはずはないのだろう…少し意地悪な気もしたが…若干俺は怒ってるぞ、というアピールでもあるから…罪悪感は残るが…まぁ今は耐えることにする…流石の林檎でもお手上げだろうしな…
「ほぇ?話って…告白の事だよね?…お兄ちゃん…別に私は兄妹だけど…全然…だいじょ…っ!??」
「ちょちょ…ちょっと待った!」
…予想外だ…何故林檎は変な事を口走っているんだ?もしかして苛めすぎて壊れてしまったのか?
「すまん、林檎俺が悪かった…だからちゃんと俺の話は聞こうな?」
「ほぇぇ?あれ?お兄ちゃんの話は聞いてたけど?」
俺が苦悩している一方林檎本人は至って真面目そうだ…
「もういい、分かった…じゃあ本題だ…【クロススキルオンライン】のスキルを決めたいんだが…林檎と一緒に決めようと思ってるだけど、構わないよな?理由はレクチャーが簡単になるからだ!良いか?」
そして俺は決闘の時間寸前まで林檎とスキルを決めていた。
そして遂に決闘の時間に林檎と2人【クロススキルオンライン】の世界にログインした…
いざ!決闘に行くぜ!
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