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プロローグ

初投稿にてかなりビクビクしている作者ですが…これから頑張るつもりですのでどうか、応援宜しくお願いします。

11月下旬

午前4時30分……


俺はいつもの日課のランニングに出かける。


「はっ…はっ…はっ…」


俺はいつも朝早くにランニングするのが中学の頃からの日課になっていた。


最初は朝に予想以上に早く起きてしまい、暇な時間をもてあましていた時にランニングを始めたのがきっかけとなっている、今となっては朝に10キロくらいの距離を走っている。


普段は混んでいる通りや公園、通路などもこの時間帯なら空いている為、ランニングにはもってこいだ。


けれど辺りはまだ薄暗く道の近くにある外灯と月明かりが僅かに周りを照らしている今日は少し肌寒い気温だが、ランニングをしているとあまり寒さは感じなくなるので気にはしない。


ちょうど駅が見えてきた…駅の近くにあるいつも寄っているコンビニに進路を変える。


コンビニに入るといつもの店員の人がレジに入っていた、こちらに気付くとにっこりと笑っていつもの挨拶を返してきた。


「いらっしゃいませ…」


もう、このコンビニにこの時間帯に来るのは常連なので店員の人とはもうかなり仲がよくなったそれに、せっかく寄ったので、スポーツドリンクとミルクコーヒーとクロワッサン、焼きプリンを買うことにした。


レジに持って行くとレジの店員さんが話しかけてきた。


「今日もいつものランニングかい?毎日大変だね…」


「はい、いつも通りですよ日課ですから」


いつも通り店員の人と他愛もない世間話をして帰るといういつもと変わらない日常をおくりコンビニからまた走って家に帰る。


家に帰るとまずはシャワーを浴びることにする、俺にとってはこの時間が一番至福の時である。


シャワーからあがるとコンビニで買ったミルクコーヒーとクロワッサンを食べることにする。


ふと気になって時刻を確認してみるともう時計は6時半を示していた。


「朝飯にしては少し物足りないなトーストでも焼こーと」


今日は大学の授業がない日だ…今日は1日ゆったりできる。


「あぁ、休みなのは良いけどなにをしようかな…」


もう季節は11月の下旬となって外はだんだん寒くなってきている流石にさっきランニングをしたばかりだし外には出る気がおきない。


チーン……


オーブントースターがパンが焼けたと知らせる音を鳴らした。


焼けたパンにバターを塗りながら今日は何をして暇を潰すか考えを巡らせる。


今までしていたゲームをやろうにも恐らくすぐに飽きるだろう…


何かすることはなかったかとメモと予定を書き込んでいるカレンダーを眺めても予定はなし。


せっかくの休みだからと思って恐らく予定は入れなかったのだろう…それがいまにとっては間違いだったなとすごく思えた。


キッチンからリビングに戻り、さっき帰ってきた時に電源を入れておいたコタツに入り焼いたトーストとクロワッサンを食べながらテレビをつける。


テレビではちょうど朝のニュースを報道していた…


どうせ他愛もないことを言っているだけだろうと思いながらチャンネルを切り替えていくと別の局のやっているニュース特番に目が止まった…何故かと言うと答えに困るが、恐らく一番の理由と思えるのは特番の内容がVRゲームの影響での自殺や感情錯乱、などだったからなのだろう。


今の時代ほとんどの家庭には娯楽や仕事関係などの為にVR装置が一般の人でも使える便利な日用品となっている程に科学力が発達している、その中でもかなり幅広い年齢層に高評価を得ているのが今では娯楽の中ではトップ5には入るほどに人気が出ているのがVRゲームである。


最初の初期型の頃には値段が高くただの趣味ぐらいの人しかしていなかったのだが、OSやシステムに改良がされていくのにつれて値段も下がり、VRゲームをプレイする人が増えていって現在では3人に1人がVRゲームを一度はプレイしたことがあるぐらいだ…


俺自身はVRゲームにはもう興味はなかったがテレビの左上端に{VRゲームで…感情錯乱…自殺未遂!?}との見出しがあり小さく表示されている…そして、それほどの人気が出ているゲームが原因で自殺や感情錯乱を起こしているというのが、俺の好奇心を激しく揺さぶったのだと気がついたときには特番に見入っていた…


『今現在皆様の家庭にもほとんど普及しているこのVR装置………』


テレビのアナウンサーがVR装置の事などを話しているがそこに興味は全くといって無い。


理由は実際にVRゲームをプレイしたのだが俺はあまり面白味が無いと感じてすぐに飽きてしまったのが理由の一つだ、だからなのだろうか?


俺がここまでこの特番の見出しに好奇心を揺さぶられたのは…自分では面白味も現実味も無いつまらないゲームだと思っていたがこのテレビの見出しと特番内容により、強く現実味を帯びているように見えたからなのだろうか…


「お兄ちゃん……?あれ?テレビ見てるなんて珍しいね」


それからしばらくテレビを眺めているといつの間にか2階から妹が降りてきていた。


「あぁ…特にすることがあるわけでもないし、予定も無いし暇だったからな」


俺がコタツに入っていることに気付くとすぐに「あー寒い寒い」とコタツに滑り込んできた。


おっと紹介が遅れたな、俺の名前は時雨 夕夜、身長はそこそこ高い…のか?

確か…前に測った時には172cmぐらいだった気がする、髪も普通に黒髪で目も至って普通の黒目である。


そしてこれまた普通の大学に通う、普通の大学生だ…特に得意な事も無く…至って平凡な大学生活を送っている…と、まぁこんな感じで大丈夫かな?


そして、こいつは俺の妹の時雨 林檎、こいつも普通の高校に通う…高校一年生で、髪は短めのショートヘアで初対面だとボーイッシュの印象がする。


そして髪が短いのには理由があるらしい、本人曰く「長すぎると重たいから嫌だし、こっちの方が動きやすいんだ」とのこと、そして残念なことに身長は155~160cm前後だろうと思うが教えてはくれない。


ついこの間あまりにも変化がないので聞いてみたら「……お兄ちゃん、デリカシーなさ過ぎ…最低!!」と怒られたので、どうやらこの質問は逆鱗に触れるようなので触れないことにすると決めた。


「ねぇねぇ…お兄ちゃん?聞いてる?」


おっと…集中していたから話しかけられていることに気付かなかった。


ここは素直に聞いていないと答えるのが無難だな、曖昧に返して怒らせるよりはマシだ。


「ん?…あぁ悪い、聞いてなかった…」


「もーちゃんと聞いてよ!」


仕方ないか、あまり無視し過ぎると怒りだすからなぁ。


「分かった、分かった…聞いてやるから」


テレビを見ながら横目で林檎を見ると「へっへーん、やっと聞く気になったね…えへへ」とかなり嬉しそうな顔をしている。


なんか…墓穴掘ったか?俺…


「ねぇ…お兄ちゃん、【一緒にVRゲームやろうよ?】」


んっ!?ちょっと待て、いま林檎はなんて言った?


「ごめん、林檎…聞こえなかったからさ…もう一回言ってくれないか?」


「ほぇ?…もうお兄ちゃんしっかりしてよ、【VRゲーム一緒にやらない?】って聞いたの!!」


林檎はこのテレビを俺が見ているからからかうつもりで言ったのか?


それとも、本当に俺とVRゲームをやりたいのが本心なのか?


さりげなく林檎の表情を覗いてみるが林檎は相変わらず俺に笑顔を向けて「お兄ちゃん?もう…聞いてるの?」と問いかけてくる。


「あぁ…聞いているよ、しかし、どうしたんだ?急にVRゲームを一緒にやろうだなんて…」


林檎は基本的にはゲームの類をあまりしているところを見たことがない…だから、俺は何故その林檎が俺とVRゲームをやろうなんて言ってきたのかが気になった。


「あぁ…それはね、実は来月に発売されるVRゲームの最新作でなんでもVRMMOらしいんだけどね…その…お兄ちゃんは前にVRFPSとか他にもVRゲームをプレイしたことがあるでしょ?それに、お兄ちゃんはVRFPSは、何か理由があったからやめちゃったんでしょ?…それならVRMMOを一緒にやってみようよFPSじゃなくてMMOなら色んな楽しみがあると思うし面白いと思うよ?」


確かに林檎の言う通りだった…俺はVRゲームをしていた時期には、VRFPSなどしか人気がなく他のVRMMOや、その他のVRゲームに当時の俺は興味が無かったし、VRFPSをプレイしてある事件をきっかけにやめてしまった俺は…もう他のVRゲームもやろうとも思わなくなったから、VRMMOはプレイした事がない、しかし、林檎はどうして俺がVRMMOをプレイしていないことを知っていたのだろう?家族の誰にもVRゲームをしていることを伝えていない筈なのに。


「…分かった、やっても良いが…VRMMOは俺もしたことが無いから、あまり上手くレクチャーはできないぞ?それでも良いのなら別に一緒にしてやっても良い…」


「本当!?お兄ちゃん本当に一緒にやってくれるの?」


俺が林檎に一緒にプレイしても良いと伝えたのは、林檎の笑顔はいつも見慣れているはずなのに、その時に林檎が見せた笑顔はとても綺麗で可愛い笑顔だった…例えるならば本物の天使が唯一心を許した人に向けるような…見ているだけで癒されて、嫌な事や辛いことなどはその幻想的な笑顔を一度目にすれば一瞬で忘れることができるような…そんな笑顔だった。


本当に血の繋がった兄妹なのかが不思議に思えてくるくらいだ…


「……あっあぁ本当だよ、それはそうと…林檎はVRゲームをプレイするのは初めてなんだろ?」



VRゲームをプレイした時に俺もなったことがあるが、VRゲームをする際にVR酔いということが起きたりする…特に初めてVRゲームをプレイする人に多く現れる現象である…主な原因としてVR環境になれていない体でVR環境にダイブするとVR環境に体が適応するためにVR酔いなどが起きるという。


俺はもうVRゲームを結構な回数プレイしているから問題ないのだが…林檎は始めてだからVR酔いになる可能性が高い。


「うん、お兄ちゃんがVRゲームをプレイしてるの見たことあるけど自分でプレイしたことはないよ?」


なるほどな、だから俺は知らないのも頷ける…林檎は俺がVR空間にダイブしている時に俺がVRゲームをやっているのを知ったんだな…って、ちょっと待てよ…俺はVRゲームをプレイする時に自分の部屋、つまりは俺の部屋でVR空間にダイブするわけで、俺がVRゲームをプレイしていることを知るためには俺がVR空間にダイブしている時に俺の部屋に入っていないと分からない筈で…それに俺は林檎を俺の部屋に入れることは基本的にはないので…


「なるほどな…だけどなぁ林檎よ?どうして俺がVRゲームをプレイしているのを見ているんだ?俺はVRゲームをする時には俺の部屋で当然VRゲームをプレイするんだからさ…林檎?お前はどうして俺の部屋に居たんだ?」


俺は単純に気になったことを聞いたんだが…


「ほえ?………え?あっ!?そそそそそれはね…あの…その…あっ!そうお兄ちゃんが自分の部屋に入ったきり、出てこなくなったから…心配になって、見に行ったの…そこでお兄ちゃんが頭に変な機械を付けてベットに寝ていたから…寝てるのかな?とも思ったんだけど…寝るにはまだかなり早い時間だったし…どうしても気になって…最初はお兄ちゃんが死んじゃったかとも思ったんだからね!その時に…」


「その時に…俺がVRゲームをしていることを初めて知ったと言うことか…」


林檎が顔を赤く染めながら頷いた。


あぁそうだったのか…心配させてしまったのか…まぁ確かに俺がVRゲームをしていることは家族には話していなかったしな…これに関しては俺に落ち度があるな…これは素直に謝った方がよさそうだな…


「これに関しては俺が悪かったみたいだな…林檎…ごめんな…俺があらかじめちゃんと話しておけば良かったな…それに心配してくれたんだろ?……その、ありがとな…」


「……いや、そんな…私はただ心配になっただけで…余計なお節介を焼いただけだし…そんな…」


林檎が顔をさらに赤く染めてモジモジして『お兄ちゃんにありがとうって言われた…はぁぁぁ\(//∇//)\」と独り言をこぼしていたのは恐らく俺の気のせいだろう…今度耳鼻科に行った方が良さそうだな…うん。


「ところで、林檎はその来月に発売されるVRMMOを買うのにちゃんとお金はあるのか?VRMMOはVRFPSよりも値段が少し高いぞ?かなり人気が出てきたみたいだからな…お前ついこの間…なんか新しい服とかを買いに捺葉姉と一緒に行ってたみたいだが?」


俺の記憶が正しいなら捺葉姉と一緒に買い物に行って帰ってきた時に見た荷物が確か…かなり大量の買い物をしていたような気がしたんだけど、全部が全部衣類とは限らないが…かなりの量だったはずだ…すなわち…かなりの金額のお金を使っていると思うんだが…大丈夫なのか?


「あぁっ!!……そうだった…気に入った服が思ったよりもたくさんあったから、ついつい使っちゃったんだよねぇ…あぁ…どうしようお兄ちゃん…」


……やはりなぁ、俺の記憶は正しかったらしい。


まぁそりゃ、あれだけの買い物袋があればそれなりの金額にはなるとは思っていたが…やはり女性の買い物は大変なんだな…俺にはまったく関係の無い話になるがな……


「だと思ったよ…しょうがないから貸してやるけど…借りるなら捺葉姉に借りた方が良い気もするが…まぁ俺もそんなにお金に余裕がある訳じゃないから…一応俺の方から捺葉姉に聞いてやるよ…まぁけど…俺が問題ない金額なら俺が出してやるから安心していいぜ?」


「うん、ありがとう…お兄ちゃん、ごめんね私がたくさん服買っちゃったから……」


別に兄妹だから全然かまわないのにこれだけのことで、自分の悪いと思ったことを素直に謝ることが出来るのは兄として素直に嬉しいことだ。


「別に気にしなくても良いのに…女の子が自分の身だしなみにお金を掛けるのは当然のことだし、それが原因で俺は怒ったりするだめなお兄ちゃんになった覚えはないからな」


「うん、それじゃあ、私買い物に行ってくるけど…今日はお兄ちゃんずっと家に居るつもりなの?」


「あぁ確かに俺は家に居るつもりだが?今日は特に用事も予定もないって言っただろ?なんなら買い物に付き合ってやってもいいぞ?どうせ家に居てもテレビとかを見て暇するだけだしな…」


これは単なる建前で本当は理由がある。


それは時々、林檎を一人で買い物に行かせると天性の才能なのかは分からんがいつも通っている道でも迷子になって片道30分で往復1時間の道のりを酷いときには4時間もふらふらと行ったり来たりしていることがある、偶々その時はちょうど俺がバイト帰りに通りがかったから良かったもの、家に帰ると4時間も迷っていたのかと捺葉姉と母さんが林檎に伝えていたのを聞いて絶句したものだ…


だから、近場ならすぐに迷っても助けに行けるが…これが遠いスーパーやホームセンターなどになると、かなり危ないので俺の家のルールとして林檎が買い物に出かける時は出来る限り付き合ってやるのが基本となってきた…どうして買い物だけ?と疑問に思った人がいるだろう。


気になった人の為に説明しよう。


先ほど話した通り林檎の方向音痴?なるものは天性なのである…何故かと言うと…どういうわけだか知らないが…林檎が迷子になるのはいつも、決まって買い物に出るときが一番多いのだ…何故か学校に行く時の通学路や…時々行く旅行など、そのどれも絶対とは言えないがまず滅多に迷子にならないのだ…まったく、我が妹ながら変な才能に目覚めたものだ……


「へ?……あっ…うん、お兄ちゃんが良いなら……」


こちらを窺いながら見ている林檎にそう聞かれたので、


「あぁ別にかまわないって言っただろ?それに、林檎が帰って来れるか心配だしな……」


「うぅぅぅ…お兄ちゃんそれが本音でしょ…」


……やはり、自分の才能に気がついているだけ、気がつくのも早かったな…だが分かっていても改善出来ないのが天性の才能である。


少し、機嫌を悪くした林檎はこちらをじっと見つめて若干睨んでいるようにも見えるのは俺の気のせい……じゃなさそうだな……


こういう時は、まず林檎の機嫌を取らないと一日中不機嫌が続くため…いまのうちに機嫌を取らないとな……


「分かった…分かった…悪かったって林檎今日一日なら何でも付き合うから機嫌直してくれよ…」


「……本当?お兄ちゃんその言葉本当?」


「ぁ…当たり前だろ?男に二言はないからな…!!」


俺が林檎の機嫌を直すのに買い物だけでなくこの日一日を差し出したのを後々後悔することになるのを俺はまだ知らなかったのだった……

誤字脱字、感想募集中です。


投稿はなるべく定期的に伝えていくつもりですが、投稿がずれたりする恐れがありますのでそこのところはお慈悲を\(//∇//)\

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