留守番
今までの話なんか、全く覚えてなしに書いてるので、矛盾点が沢山でて来ると思いますが、こんなので良ければどうぞ。
木葉は、傀儡よりも早く起きた。いまは午前六時五十分。早起きが出来たのは規則正しい生活のお陰だ。
外はもう明るくなり、鳥の鳴き声か、人の声かが聞こえてくる。木葉は、すやすや眠っている傀儡をそっと起こした。
「んぁ…?あ、お早う」
間抜けな声で挨拶する傀儡。
「お早う。ちょっとこっち来てよ。」
木葉は、英雄達が寝ていたところを見たままで手招きする。
「朝起きたら、あの人達のところにこんなのがあったんだけど。」
木葉が布団の上にある紙を指差す。
「……?これは…」
──ちょっと出掛けてくる。結構かかかるから、おとなしく待っていて下さい。 ケータイ──
「書き置き…だね。」
「わかってるわよ。そんなことより、これからどうするかよ。」
そうだね…と傀儡が言ったきり、二人は黙ってしまった。
「……この中の探検する?」
少しの沈黙の後、傀儡が、そして木葉も口を開いた。が、木葉は、内容に呆れて口を開いている。
「………行けば?」
予想外に淡白な返答だったので、少し驚いた傀儡だったが、直ぐに立ち上がり、部屋を出た。
「もうやんなっちゃう…」
木葉は、右手を額に当てて、溜め息をつく。それからゆっくり立ち上がり、周囲の片付けを始める。
「て言うか何よケータイって。まさか英雄→えいゆう→エーユー…ってことなの…?………いや、そんなわけないか。」
「いや~…探検とか言って、出てきたはいいけど…どこ行こうかな~」
頭の後ろに両手をまわして、歩きながら呑気に言う傀儡。
外から見れば、二階建ての家より、少し大きい…位の大きさの家だが、中に入ってみると、以外と、というか相当広い。床、壁等は殆ど木製で、所々もろに木の幹のような壁もある。まるで、木上に家があるような錯覚を覚えてしまう。いま傀儡が歩いている廊下は、人二人が通れる位の道幅で、その両端にはずらりと奥まで、扉が沢山ある。
「あ、あの扉何だろう!」
傀儡は、廊下をずっと進んだ先の行き止まりにある、両開きの扉を見つけ、飛んでいった。扉の上には、時空という文字の上に、─時越えの部屋─と乱雑に殴り書きされていた。