むげんのかのうせい
ぼくは うまれたときから おびれがはんぶんしかない だから ぼくはおよくがのがにがて
うみのなかを きらきらひかりながら およぐおさかなさんみたいには およげない
でも ぼくはじめんをはって も をみつけるのは とくい
かいくんや いそぎんちゃくさんからは そんなにうまくじめんをはうことができるなんて すごいね といってくれる だから かいくんや いそぎんちゃくさんのことが ぼくはだいすき
ぼくがすこしおっきくなると ままがぼくに あのきらきらひかるおさかなさんみたいになりましょう といってきた
あなたには はんぶんおびれがあるんだから むげんのかのうせいがあるのよ
そういってきた
だから ままのいうとおり せんせいといっしょうけんめいおよぐれんしゅうをしたけれど それでも みんなとおなじようには およげない
ぼくのおよぎをみて みんないじわるをいってくる
なんで きみのおびれは はんぶんしかないんだ
なんで きみは そんなにおよぐのがへたなの?
みんなできてるよ?
このまえうまれたぼくのおとうとのほうが うまくおよげるよ
へんなの へんなさかな
だから ぼくはおよぐのがきらい ふつうのさかながきらい
だから ぼくはせんせいに そうだんしてみた
せんせい ままは ぼくをいちにんまえにおよがせて こざかなをとれるようになってほしいんだ
でも ぼくはおよぎたくありません かいくんや いそぎんちゃくさんと も をとってたのしくすごしたい
ままはぼくに あなたはめぐまれてるっていうんだ おびれがないこもいるんだよって あなたには はんぶんあるでしょって
おびれがないこたちは みんなおよげるかのうせいのある あなたをうらやましくおもってるよって
でも けっきょく せんせいもままとおなじことをいう
きみは がんばればおよげるよ およげるのにおよがないのは もったいないよ がんばれば ちいさなこざかなさんだって つかまえられるんだよって きみは あのきらきらひかるさかなに なれるんだよって
でも ぼくは こざかなさんをいっぴきもとれたことがない
あるひ ぼくのおうちに おびれがぜんぶないこのおかあさんがたずねてきて ぼくにいった
およぐれんしゅうしてるなんて うらやましいわ うちのこはおびれがないから まったくおよげないの だから も をみつけて たべるれんしゅうしてるの はずかしいわ
ぼくのおかあさんは それをきいて ほこらしげなかおをしていた だから ぼくはなにもいえなくなる
ぼくがみんなからばかにされておよいでるあいだ おびれのないこは かいくんや いそぎんちゃくさんと たのしそうにあそんでる
いつのまにか おびれのないこは ぼくよりも も をみつけるのが うまくなっていた
ああ さいしょからぼくのおびれがぜんぶなかったらよかったのに
そしたら ぼくだってかいくんや いそぎんちゃくさんと いっしょに じめんをはって たのしくすごせていたのに




