表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/15

第2話 ご褒美特典です!! 

結婚式を無事に終えて、伯爵家の離れに戻る。

実家の両親も兄も、この度の結婚をあきれながらも応援してくれた。


以前はおばあさまがお住まいだったという離れは、こぢんまりとしてちょうどいいですね。侍女1名、女中2名、料理番1名…使用人さんは多すぎですが。


本宅はアードリアン様のご両親がお住まいです。

肝心の花婿はまっすぐ愛人のもとに帰りましたのでね。


「若奥様…よろしいんですか?」

「え?何が?」



私付きの侍女になったヘラさんが申し訳ない顔でそう言う。


「お坊ちゃまが…。」


「ああ。いいのよ。気にしないで。私たちよく話し合ったし、お互いのためを考えての結婚だから。それより、これを。」


結婚指輪をヘラさんに渡す。ついでにしまってあった婚約指輪も。


「未来のお嫁様のために、綺麗にして保存しておいてほしいの。この家代々のものらしいから。」

「・・・・・」




そう。肩書だけ妻になるということで、なかなかの好条件で話し合いが付きました。



①お互いの私生活に干渉しないこと。(大事ですね!!)

②最低限の生活の保障。(これは、どうもカミラさんが金食い虫だかららしいですね。)

③慰謝料の前払い。(2年後のことですので、その時に泣き寝入りしないように。)

④社交は基本的にはカミラさんを同伴するが、王城の場合のみ仕方ないので妻として同伴。(まあ、それは仕方ないですね。)

⑤ご両親と必要以上にかかわらない。(デスヨネ?)

⑥カミラさんを貴族令嬢として最低限教育する。(ここ、大事ですからね!)

⑦十分な教育後におじさまにカミラさんを養女にしてもらう。(これはもう、話がつけてある。)

⑧親に怪しまれないように、たまに一緒にお茶を飲む。(…どこの年寄よ?)

⑨2年たったらきれいさっぱり離婚すること。(問題ありません!あらかじめサイン入りの書類も用意してありますしね。)

⑩俺に惚れるな。(安心してください!惚れませんから。)



そう。私には何のメリットもなさそうなこの結婚…実は王都に居を構え、お金も時間も自由になる、というもう、ご褒美特典ですか!!!というくらいの好条件。


国境近くの山と森しかない自領。おじいちゃんの代からガラス製造をやっている。エトガル子爵家。

ガラス器。その頃はそこそこ需要もあったのだが、お隣のフール国でクリスタルガラスが開発され、普通のガラス器は普段使い用になった。

父の代で板ガラスに力を入れて、まあ、なんとか持ち直し、兄の代では色付きガラスを改良して、教会のステンドグラス用に出荷・加工をしている。

兄は跡取りということもあり、王都でアカデミアに通わせてもらったが、妹である私には金銭的になかなか難しかった。

・・・そこに、降って湧いたような好条件な縁談!飛びつきます。


もうこちらに向かう前に、アカデミアに願書と論文2本は提出してあります。


そうそう、結婚式前日には私の口座に、前払いの慰謝料が振り込まれていました。なかなか真面目な方ですね。2年暮らして、そのあとに自立するなり、国元に帰るなり…どちらにしても十分な額です。











評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
願書と論文、前金も得ていて、準備万端で待ち構える感じがとても素敵です〜 (*´ω`*)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ