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今世の俺は長女だから  作者: ビーデシオン
第四章「妖精神の傘の下」
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61 淡いベージュと朱色のドレス

 やあ、金髪美少女のレーダちゃんだぞ!

 七歳になったんだから少女を名乗ってもいいよな?

 身長も結構伸びてきたし。


 なにより、明日からしばらくは王都のほうで暮らすことになるからな。

 育ててくれた両親に感謝しながら、馬車に揺られてどこまでも行くぜ。

 いやまあ、王都は全然隣町なんだけどさ。


「ちょっと。動かないで」

「ああ、ごめん」


 ともあれ、今はガッツリ前日準備の真っ最中であるわけで。

 俺はミナに手伝ってもらいながら、入学式用ドレスの着付け中である。

 俺はいつものフリフリフリルでも良いと思ったんだけどね。

 お母さまから「無駄に目立つからやめときなさい」ってお言葉をもらってシュンってなっちゃいましたとさ。


 ちなみに着付けは俺の部屋で行われている。

 残念ながら、ダイアーは出禁だ。

 意気揚々と着付けに加わろうとしてきたので、冷淡なジト目を送っておいた。

 まあ、終わったらちゃんと見せてあげられるからな。

 許しておくれよ。


「これで……よし!」

「ぐえ」


 ひたすら思考にふけっていたら、いきなり胸が締め付けられた。

 別に唐突に失恋したわけではない。

 後ろから、物理的にコルセットを絞められたのだ。


「ねえママ、ちょっときつくない?」

「何言ってるの、これでも結構緩めてるわよ」

「そんな」


 なんてことだ。これ以上圧迫したら口から何かが出てしまうぞ。

 か弱い七歳児の身体から、編集必須の混合物が出てしまうぞ。

 画面越しはメルヘンなキラキラでも、現実は土手焼き泥焼きもんじゃ焼きなんだからな。

 処理もフィルターかけて終わりじゃないんだからな。


「お父様お母さま、先立つ不幸をお許しください……」

「私がそのお母さまよ。バカ言ってないでほら。見てみなさい」

「お?」


 言われた通り前を向くと、鏡に自分の姿が映っていた。

 生まれた時から傍にあった鏡を見ると、自分の成長を実感するね。

 まあそんなことはどうでもいいんだけど。


 重要なのは、その姿だ。

 さすがに、フリフリフリルに比べると、いくらか派手さは劣るけど。

 淡いベージュと深めの朱色を基調としたドレスは、そこはかとないおしとやかさを醸し出してくれている。

 イメージ的には、和風メイドさんみたいな、そんな感じ?

 純白のワンポイントフリルもなかなかナイスだ。


「おお~」

「初対面はこれくらいの方が好感持たれるんだから。悪くもないでしょ?」

「うん!」


 流石、お母さまはセンスが違うな。

 長年女性をやっているだけあって、女の子初心者の俺とはセンスが段違いだぜ。


「さて、そろそろダイアーにも見せてあげなさい」

「あ、ちょっと!」


 俺が鏡の前で横に揺れたり、ちょっと回転してみたりしているうちに、ミナが部屋のドアを開けてしまった。

 一瞬、ガンという音がしたのは、開いたドアにダイアーが激突した音だろう。

 つまり、彼は部屋の真ん前でずっと待機していたわけだ。


「さて、どうかな。パパ」


 まあ、聞く必要もないと思うが一応ね。

 なんならポーズも取っちゃおう。

 スカートのすそを持ち上げて、身体を捻って。

 娘の一張羅はどうですかな? お父様。


「最高だよレーダァ!!」


 知ってた。

 でも今スカートだから持ち上げるのはちょっとやめてほしいな。

 まあでも、感激しているパパ様に水を指すこともないか。

 しばらくは目を横棒にしてやるだけにとどめてやろう。


「流石はミナだね」

「任せなさいな」


 おっと、意外と早くおろしてくれたな。

 俺だけでなくミナにも気を配れるたあ、相変わらずいい男だね。


「これなら、お父さん方も納得してくれそうだ」

「そうかしら……」


 え? お父さん方って何の話だ?

 ダイアーのお父さん?

 いや、言い方的に、ミナの方か?


「ああ、言い忘れてたけど、明日私の親に会いに行くからよろしくね」


 あー。なんともまあ、唐突な。

 まあそりゃ、娘が同じ王都の学校に入学するってなったら挨拶は避けて通れないよな。

 気難しい人たちじゃなければいいけど……


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