勘違い
いい香水の匂いを醸し出し、お淑やかに廊下を歩く。ふんわりした栗色の毛を揺らし、時々水晶のように透き通った赤色の目を隠す様に瞬きをして、小さい口の端を少し上げる。ただそれだけで誰もが目を惹くのだ。
この容姿に生まれて16年。ブスとも醜いとも言われなかった。私の自慢である。母は優しく、父も優しく、しかも小さいがとても栄えている街の領主でとてもいい家系に産まれたと思っている。6歳くらいのときからもう婚約者がいたのはちょっと残念だったけど相手も国の五大貴族の1人、アウェタリス家の長男、ノア。彼も彼でとても顔がいいのだ。緑色の細い目にクリーム色のサラサラな髪、しかも身長が高い。彼もまた私の様に見た目に困ったことはないのだろう。
もうノア様とは10年の付き合いだがお互い馴れ馴れしいことはなくそんなに仲良くはないのだ。言ってしまえばあまり好きではない。
さて、話題は変わるが最近良くない流行病が流行している。かかると症状がすぐに出て、熱が上がり、吐き気、咳、呼吸困難に陥るという。
オリビア「無理しないで。」
彼女は私の母でオリビア・ブライアンという。とても優しく、おとなしい。
ガブリエル「そうだ。」
彼は私の父で我が家の大黒柱的存在のガブリエル・ブライアンだ。頑固だがとても優しく、様々な人から愛されている。
「じゃあ、家にいた方がいいのかしら、、、」
不安ながらに両親に聞く。
「もちろん。」
小さいながらもしっかりと頷いてくれた。ここから私の底辺と頂点の話の始まりだ。




