寿命を代償にレベルアップ!
吹きすさぶ嵐、轟く雷鳴の中激しい金属音が鳴り響いていた。
激しい雨を体に受けながらそれに負けることなく、二つの影がそこには立ていた。
「貴様ごとき人間にこの四天王ユバが、倒されるわけないだろうが身の程を知れ!」
そういうと四天王ユバは漆黒の翼をはためかせ、地上から5mの距離に飛翔した。
「死ね!人間!」
ユバはその手に持った全長3mはあろうという槍を突き出しながら、こちらに滑空してきた。
迫りくる槍をしっかりと見据え、槍が俺の胸に突き刺さる寸前に俺は言葉を発した。
「...加速」
「加速終了。」
俺の言葉と同時に、後方に着地したユバは槍を地面に落とした。
地面に槍が落ちると同時にやつの体からは、激しい出血に伴う血しぶきがあたり舞い俺の体にも降り注いだ。
「グ、グギャ――――!」
「き、貴様何をし…た。」
やつには何が起こったかもわからないだろう。
何が起こったかを知っているのは、俺だけなのだから。
「くたばりやがれ」
「ま、魔王様に栄光あれ―!」
ユバは天に向かって大きくその言葉を叫ぶのを最後に、そのまま地面に巨体を沈めたのだった。
それを見届けた俺も、全身の力が抜け地面に倒れた。
「ロイドーーーーー!」
遠くから取り巻きの魔物を抑えてくれていた仲間たちの声が聞こえてきた。
しかし、俺は声すら発することができず薄れゆく意識の中で必死の形相で駆けつけてくれている仲間の顔が、見えると同時に安堵を覚え意識を失ったのだった。
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「ロイド、ロイド!起きなさい」
声が聞こえる。
僕はその声に意識を覚醒させた。
「ふああああ」
朝日をたっぷりと浴びながら、僕ことロイドは目を覚ましたのだった。
「お母さん、起きたから今行くよ」
「早く降りてらっしゃい。ロイド」
その言葉を聞きつつ、身支度を手早く済ませる。
服を着て部屋を出たら桶から水を汲み顔を洗い、寝癖を直したら身支度は完了だ。
「今日はちゃんと起きられたのね?」
「僕だって毎日お母さんに起こしてもらってばかりじゃいないよ!」
食卓の方に向かうと母バニラアイス




