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土日に君と妹と.12

保健室を出て、再び学校の廊下みたいな通路を進む。

他のダンジョンに比べて、珍しい造りだ。


いつ頃からダンジョンが現れたのかは知らないけれど、古代から合ったみたいだ。


その証拠に歴史の教科書にも出て来る。

ダンジョンに敵の軍を誘い込んで勝利したなんてのもざらだ。


攻略されれば形を変えるか、忽然と姿を消すとも言われてる。

実際、見たことないけどそうでもなければ、世界はダンジョンばかりになってしまう。


「涼は、なにか思い出したか?」

「ううん。でも、ダンジョンを探索していると懐かしい感じがするよ」

楽しそうに答える涼を見てジンちゃんも頷く。


「私もです。気づいたら人体模型になっていましたからね。共に探索出来るのは懐かしいです」

ジンちゃんも、この辺りに詳しいってことは冒険者だったのかな。



「ちくしょう!なんだこいつは!」

「瀬田くん!大丈夫!?」

「七瀬、下がってろ!こいつは俺一人で倒して、あの化け物を負かしてやるんだからな!」

「そんな!瀬田くんがここで倒れたら、ただの性格の悪いリア充になっちゃうよ!」

なにやら、瀬田と七瀬の声が聞こえる。

強力な魔物と遭遇してるのかもしれない。


「……七瀬さんて、はっきり言う人だね~」

「そうだね。七瀬さんだけ助けよっか?」

「いやいや。二人とも助けようよ」

涼が呆れてる。まあ、気持ちは分かるけどね。

瀬田はムカつくが、ここで助けないと自分が許せない。


「助けに行こう!」

「お人好しだけど、勇気先輩って感じだね。

いいよ。でも私、ダッシュ出来ないから」

「私が、咲先輩と行くからみんなは先へ行って」

柚子一人で大丈夫かな?でも、すぐに追いつくか。


「僕がファンの二人を守ります!」

「「誰があなたのファンだ!」」

女子二人の声がハモる。黒野はまあ、必要だよ。

性格はともかく魔法防御が高いからね。


「では、私が女子たちをエスコートしましょう」

「ジンちゃんが?分かった頼むよ」


「ひえぇぇぇ!」

僕は、黒野の首根っこを軽々と掴んで引っ張る。後を涼が着いてくる。


角を曲がると、大ヤモリがいたけど刀で打つ!

そのまま壁に激突して素材になるから、後続が回収してくれると思う。


「お兄ちゃん、やっぱ強いね」

涼がまじまじと僕を見るので苦笑する。

別に秘密にすることでもないけど、目立ちたくない。



「七瀬!瀬田!」

そこは、大きな部屋で中央にこのフロアボスでもあるらしき巨大な狐?がいて、瀬田と七瀬が立ち向かっていた。


「……あ……ああ」

頭を抱える涼。どうしたんだ? しかし、今は二人を助けないと。

駆け出す僕と、嫌々着いてくる黒野。


「くそっ!ダメージを与えてるのにすぐ回復しやがる!」

ハンドアックスで斬りかかる瀬田は、化け狐の尾をかわして斬りかかる。


「集中して!一号花火!」

七瀬の放った筒状の物が化け狐のとこで破裂して火花が散る。


「ちょえ~!」

続いて黒野のシールドアタックからの僕の剣撃!

二人がいるから本気を出すのも躊躇われる。


化け狐が、忌々しそうに狐火をいくつも放つ!

「うわあぁぁぁぁ!」

「きゃあああああ!」


瀬田と七瀬がダメージを負って下がる。

黒野の盾で助かった。魔法扱いになっているのか狐火を受けても黒野は吸収している。



「てめ~!俺たちの獲物を横取りするつもか?」

「そう言うつもりはないよ。そんなこと言ってる場合でもないし」

「ああ?化け物のくせに生意気……いてっ!」

「瀬田、いつまでもうるさい。あなたの身勝手で部員減らして。

今は、ピンチになってるんだから、味方に感謝しましょう」

瀬田を説得しながらもポーションを使っている。

剣を支えに立ち上がると睨みつけてくる瀬田になにか言おうとして、化け狐の尾から鋭い毛が瀬田を撃ち抜く。


「ぐああ!」

「瀬田!」

瀬田がごろごろ転がって行くのを七瀬が助けに行く。

涼はまだ、あたまを抱えて苦しんでるし。


「黒野。みんなが来るまで僕たちで引きつける」

「あえ!?あんな性格の悪いカースト上位なんてほっとけばいいよ!」

「そんなことしたら、僕たちはあいつ以下になるよ?」

「………そうかもしれん」

なんだ、その喋り方は。黒野は渋々と手伝ってくれるようだ。

「ぽんぽん!」

鎧狸たちも震えていたものの助けてくれるようだ。



つづく

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