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土日に君と妹と.6

魔物が出るたびに、僕が刀の柄で打ち砕き、咲ちゃんが腕を振り風の刃を放ち、魔物を蹴散らす。


この辺のエリアには、化け狐が多い。

前に出てきた鎧狸とは仲間なのだろうか。


「あ、宝箱!」

「こら。涼くん危ないよ~」

「大丈夫だって。おねーちゃんはお母さんみたいに口うるさいな」

「なんだと、てめ~!この世から抹消すんぞ!」

「ご、ごめん、おねーちゃん」

涼がしゅんとしている。柚子は怒ると口が悪くなるけど、元ヤンではないよ。


「気をつけないと罠がしかけてるかもしれないよ?」

「うん。でも、開けるよね?」

「うん。開けよう」

「開けてしまえー!」

二人を押し退けるようにして黒野が宝箱をパカーンと開けると、煙が噴き出して黒野が石像になった。


「?うるさいのが静かになりましたけど、先輩どうしました」

「あ~うん。黒野が石になったよ」

「そうですか。どこかに飾ります?」

「いやいや、治さないと」

「勇気先輩は、優しいですね~」

「咲ちゃんは、冷たいよね」

「だって。しつこい人は嫌いです」

まあ。この時代にしつこいのは駄目とは言え、同じ人に好きと言い続けるメンタルは凄い。


「この人、欲張りだな~。おかっぱだからかな?」

「それは関係ないよ。でも、この人私にも好きとか言ってたから、困ってたからこれでいいよね」

なに!?黒野の奴。柚子にも好きとか言ってたのか!

なら、このままでいいか。


「石化解除薬は持ってたかな」

アイテム袋を出して探していると、「お兄ちゃんたちのアイテム袋って性能が悪いね」と言われた。


「そうかな?高いのは金貨何枚もするから」

「まだ、安いクエストしか受けられいもんね」

まだ、Eランクの僕たちは高ランクの依頼を受けることは出来ない。

なので、クエストをこなしても報酬も少ないから。

性能の悪いアイテム袋を使うしかないのだ。


それでも、普通の生活してる人には便利だから、アイテム袋のために冒険者登録してる人もいるくらいだ。


「よければ僕に貸してくれる?」

「うん、いいけど」

涼は持てないので、目の前に差し出す形になる。

「はっ!よっ!ていっ!」

涼が僕のアイテム袋な向けて魔力みたいのを飛ばす?なんだろ?


アイテム袋の見た目は変わらないけれど。

「ほらほら、鑑定してみて?」

「柚子、頼む」

「オッケー!」

柚子は、鑑定のスキルを生まれつき持っている。

鑑定のスキルで見た柚子はびっくりしている。


「お兄ちゃん、凄いよこれ!」

「どう言うこと?」



アイテム袋 性能 最高品質

いくらでも物が入る。

食料が劣化することもない。

好きな子のハートは仕舞えないぞ♪



変な説明はともかく。とても良いものになっている。

どう言うことだろう?涼を見ると得意気ににやにやしてる。


「どうだい?僕のスキル『グレードアップ』は?」

「すごっ!涼くん、凄いよ!」

咲ちゃんもびっくり。柚子もこくこくと頷く。

涼は、くるりと空中で回ると得意気に胸を張る。


「お兄ちゃんたちは、僕を見捨てなかったから、特別だよ?」

「そうか。ありがとう」

「と言うことは、一緒に遊んでくれた瀬田先輩たちにもそのスキルを?」

「ううん。だってあのお兄ちゃん、もう一人のお姉ちゃんに僕を押し付けて、中々遊んでくれないんだもん」

咲ちゃんの言葉に首を振る涼。

しかし、七瀬の眼鏡をこっそり割れないように強くしたそうだ。


「涼、いい奴だな」

「えへへ。お姉ちゃんたちのもする?」

「ぜひぜひ」

「お願いします」

「じゃあ、僕の友達になってくれる?」

涼が、窺うように聞くとえ?と僕たちは思う。


「私たちはもう友達だよ~」

「そうだよ。私、里中柚子です。よろ~」

「春野咲だよ、よろしく」

「里中勇気だ。また遊ぼうな」

「うん。ありがとう。垣野塚涼だよ。よろしくお兄ちゃんたち!」

涼は、にこりと笑うと僕たちの頭上でくるりと回転すると、スキルグレードアップを発動した。


すると、アイテム袋だけでなく制服や装備品まで品質がよくなったような気がする。


「おねーちゃんたちの下着も最高品質にしといたからね~!にしし!」

「わ~い、ありがとう……て、待てこら!」

柚子が追い回す。呆れる咲ちゃん。


「はぁ。男の子ってホントにエッチ」

「………」

いや、僕のことをジッと見ないでね。なにもしてないけど。

まあ、幽霊でも涼が明るいのはいいと思った。

そうだ。それより、黒野はどうしよう?



つづく


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