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土日に君と妹と.3

ここは?なんでダンジョンに子供部屋があるのか。

散乱したおもちゃ。そして、床に倒れるのは黒野?


「お兄ちゃん、あの人誰ですか?魔物なら成仏させます?」

「いやいや、あれは咲ちゃんの幼馴染みでストーカーらしいよ」

「なら、なおのこと成仏させないと行けないね。咲先輩もそれでいいです?」

「ええ。仕方ないか~。分かってくれないんだもん」

いやいや。二人とも冷たいと言うか物騒だから。



会話を聞いていたらしい黒野が、床を這いずりながらこちらに向かってくる!?

「さ、咲ちゅわ~ん……僕を助けに来てくれたんだね?」

咲ちゃんの足にすがりつこうとしてロッドで突かれている。

グリグリと頬にめり込んでいる。気配察知の効果は健在のようだ。



「こ、こっちに来ないで。私のことを心配してくれるならもう私に関わらないで!」

その言葉でがっくりと倒れる。酷いような気もするけど、望んでもない好意を押しつけられても困るだろし。

もっと節度を持って接すればこうも嫌われなかったのかもね。


武士の情けだ。ポーションを使用して上げる。

「お兄ちゃん、甘いんだから~」

柚子は、そうぼやきながらもどこか嬉しそうだ。


「ち、調子に乗るなよ化け物。たすけてくれからって………ぎゃああああ!な、なにするんだ君は!?」

文句を言う黒野に柚子のたーんあんでっどが襲う。

いや、人間なのに効かないでしょ、普通は。


「……ハァ……ハァ…君、凄い魔力だよ……いいよ……もっとだ……もっとくれぃ!」

どこか、恍惚としてないかこいつ。酷い言われようだから、助けなければ良かったかな。


「わわ!な、なんなんですか、この人~!?」

柚子が僕の背中の後ろに隠れた。黒野は、ぎょっとした後、取り繕う。


「化け……いや、お兄さんの妹様でしたか~」

「誰が、お兄さんだ誰が」

「お兄さん、咲ちゃんのことは諦めます。

しかし、そこのセーラ服の妹さんがは僕のハートを奪ったのです!

どうか、どうか!お付き合いの許可を下さいまし~」

「……咲ちゃんの幼馴染みって、愉快な奴だな」

「はぁ。黒野は美女に弱いの。でも、見た目がね?」

言いにくそうにしている咲ちゃん。まあ、確かにおかっぱのオタクっぽいのがぐいぐい来られたら女子も引くかも知れない。


オタクとして、気持ち悪がれるのと化け物として避けられるのとどちらがいいのか。

なんだか、少しだけだけど黒野の辛さに共感してしまった。


でも、だからと言って無節操に女子にアタックしていい訳でもないけど。


「さぁさ、お兄さん「風の刃!」」

咲ちゃんは、柚子に迫る魔の手を取り払う。

「もげぇぇぇぇぇぇ!?いいよ?もっと来てくれよ!ハァ……ハァ」

ゆらりと立ち上がるとまた向かってくるので、峰打ちにした。




「はぅ。お兄ちゃん怖かった~。咲ちゃんも」

「うちの幼馴染みがごめんねー。しつこいくらいに女の子大好きだから」

咲ちゃんが、困ったように笑う。まあ、幼馴染みだからどこか憎めないとこもあるのかな。

それに、うざかったとは言え、小さい頃は一緒にいてくれた訳だし。


「それにしても、黒野は魔法耐性が高いな」

「そうなの。昔はそうじゃなかったんだけど、いつの間にか強くなっていましたね~」

「………それはともかくとして」

僕たちは、ベッドに目を向けると一人の男の子がにこにこしてこちらを見ている。


「やあ。お兄さんたちもそこの人とお友達なの?」

「「「友達ではない」」」

三人の声がハモった。哀れ、黒野。

男の子もきょとんとしている。透けているのは幽霊だからか。


「……このお兄さんみたいに僕と遊んでくれるのかい?

そこのお兄さんたちみたいにならないようにね?」

気づかなかったけど、瀬田と七瀬が倒れている。


「七瀬!」

気絶しているのか目を覚まさない。

瀬田はどうでもいいと言ったら責められるだろうか。

でも、正義のヒーローではないから、僕を馬鹿にした人を助けたいとは思わない。



「さて。妹もいないから、遊んでくれる?」

妹もいるのか?敵がもう一人増えるフラグなら倒さないといけなない。



つづく



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