天地無用
捧げる
暗闇。黒と白。狭間に閃光が走る。黒と白の界面が膨張する。それは透明だった。反射しない。屈折もない。純粋な透明が顕れた。臨界に達した純粋な透明。真円を象り浮遊する。
宵が終わる。透明の塊はどこへ導かれるともなく浮上する。速い。風が出てきた。速さを覚えた透明の塊。速度は大きくなる。方向が定まる。風に身を委ねて辿り着く所。やがて忘れてしまう最後に透明だったこと。
先の尖ったもの。遥か彼方から振りかけられる。周りを飛んでいる内に透明な中心が乱れる。寧ろ秩序だてられた。濁りがどこかから溢れる。もう透明ではなかった。けれどまだ純粋な濁り。
浮上の速度は大きくなるばかり。突然に衝突。欠けた。割れた。くっついた。濁りが淀む。欠片は宙ぶらりん。離れていく。元あったものの。
風が青い。どうして青いのか。青いのはどうしてか。あおい。濁ったり光ったり。透過する。色が混じる。青にはならない。青に似る。寄ったり、離れたり。
青にはなれない。屈折する。速度を失う。遅くない。いつも同じ。終端を迎えた。反転する意識。真実は逆さま。落ちている。ただ一つの落下。
暗くない。明るくない。落ちていく感覚。暗かった。明るかった。落ちてきた感覚。暗い。暗かった。暗かったのだろうか。同じ速さ。周りも同じ。
透過する。反射する。屈折する。散乱する。割れた欠片。まだ浮かぶ。そこここに欠片。届かない美しさ。純粋な透明。透明からの景色。透明への景色。同じであって同じではない。
砕けた。いきなりに崩壊。止まる。始まる。砕け散った。砂になる。小さい。砂より小さい。止まらない。黒と白の奥。浮遊と浮上と落下。いつかの繰り返し。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
最後から最初まで読んで頂き有難うございました
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※




