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Feb. 14
あげる、と押し付けられたのは
ハート型のマシュマロだった。
「……これは?」
どういった風の吹き回しだろう。
もらった、とうそぶく男を睨むと
細い目がますます細くなった。
「ひとりじゃ食べ切れなくてね」
お裾分け、と薄ら笑う。
私はうんざりと息を吐いた。
「よりにもよってマシュマロとは……」
嫌がらせだろうか。
苦手だ、と眉をひそめると
男はそれを口の中へ放り込んだ。
不意に強く抱き寄せられる。
「……どう?」
ふわふわと軽い口付けの向こう
とろけるような香りが舌に触れる。
「……チョコレートか」
思わずため息を洩らすと
男はにやりとほくそ笑んだ。
「悪くないでしょ?」
なんて可愛げがないのだろう。
私はまたひとつ息を吐くと
にまにまと笑う男の口に
可愛らしいそれを押し込んだ。
「甘……ッ!」
日本語題:マシュマロに包まれたチョコレート




