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Cling to
夢を見たんだ。
白いドレスを着たキミに
永遠を誓って口付ける。
そんな悪い夢を。
「……あり得ないのに」
アイツがいるから。
アイツを、アイツだけを、
キミは想い続けているから。
それなのに ―――
「どうしてこんな夢を……」
わかっているんだ。
ボクはアイツになれないから。
キミを幸せにできないから。
でも、夢の中でなら ―――
「……着てくれるんだね、ドレス」
眠るキミを抱き寄せて
白い首筋に口付ける。
「ボクのために」
幸せそうにほほ笑むキミが見たくて
夢にまで縋る自分が馬鹿らしくて
ボクはまた目を閉じた。
日本語題:悪い夢




