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Not Want
アイツはボクの親友でもあったから。
「……それで?」
見返りなんていらないのに。
いくらだって手を貸すのに。
「地位か? 名誉か? それとも金か?」
キミは信じてくれなくて。
「言え。望むものをくれてやる」
アイツの仇を討つために
孤独に傷付いていくから。
「お前は何が欲しい?」
だから ―――
「……寝室に招いてくれる?」
蔑むような視線にほほ笑む。
今夜、と軽口を叩きながら。
「楽しみにしてるよ、お嬢サン」
愛情で契り付けられたら
きっとキミも依るだろう?
日本語題:下卑




