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Jumping at Shadow
喉も嗄れて、汗も涸いて。
それでもまだ充りなくて
白い肢体を抱き寄せる。
圧えて、口付けて、痕を残して。
それでもまだ ―――
「……どうした?」
かすれた声が耳をくすぐる。
「怯えているのか?」
あなたは細い腕を伸ばして
わたしの頬を柔しくなぞった。
あぁ……
「可哀らしいな」
白い指先を捉えて口付ける。
わたしはにこりとほほ笑んだ。
「怯えてなどいませんよ。ただ……」
あの男の影が消えないだけ。
消したいだけ。
あなたの心奥から。
だから ―――
「もう一度」
日本語題:影に怯える




