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subtle  作者: 水野葵
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Marking

「……おい」


 ぶっきらぼうな声が響く。


 いたずらに興じていたボクは

 ゆっくりと口の端を()り上げた。


「痛かった?」


 ゴメン、とすっとぼける。

 キミはふっと目を()らした。


「そうではないが……」


 白い肌に花が散る。


 聞こえよがしに音を立てて

 ボクはますますにんまりした。


「いいでしょ、べつに。どうせすぐ消えちゃうんだし……」


 そう、消えてしまうんだ。


 だから ―――


「少しくらい ――― ね?」


 手のひらにそっと口付ける。


 消えない(ハナ)を残した、と言ったら

 キミはどんな顔で怒るだろう。

日本語題:花を散らす

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― 新着の感想 ―
[良い点] これはキスマークですよね。 官能的でドキドキします。 花を散らすって、綺麗な表現ですね。
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