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Marking
「……おい」
ぶっきらぼうな声が響く。
いたずらに興じていたボクは
ゆっくりと口の端を吊り上げた。
「痛かった?」
ゴメン、とすっとぼける。
キミはふっと目を逸らした。
「そうではないが……」
白い肌に花が散る。
聞こえよがしに音を立てて
ボクはますますにんまりした。
「いいでしょ、べつに。どうせすぐ消えちゃうんだし……」
そう、消えてしまうんだ。
だから ―――
「少しくらい ――― ね?」
手のひらにそっと口付ける。
消えない跡を残した、と言ったら
キミはどんな顔で怒るだろう。
日本語題:花を散らす




