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subtle  作者: 水野葵
15/46

Bitter

「……ゴメン」


 やっちまった、と息を吐く。

 気まずさに目を()らした。


「まさか、その……」


 ごまかしに頬を()でる。

 キミはにこりとほほ笑んだ。


「何を ―――?」


 ゆっくりと喉が鳴る。


「そんなコトしなくてもいいのに……」


 マズいでしょ、それ、と(つぶや)くと

 不意に強く抱き寄せられた。


 溺れるような口付け。


 知りたくもない味に顔をしかめると

 キミはまたいたずらっぽくほほ笑んだ。


 あぁ……


上手(うま)くなったね」


 (ウソ)が。


 ボクを、キミ自身を、欺くための嘘が。


「……どうした?」


 つやめいた声で誘うキミに

 何でもない、と笑ってみせる。


「何でもないんだ」


 キミのなかにはアイツがいる。


 忘れるコトができないのに

 ずっとずっと(おも)い続けているのに


 キミはボクを受け入れようとする。


「本当に」


 ボクを利用するためだけに。


 でも、それを ―――


「ただ……」


 (かな)しいとは思わないよ。


「ただ ―――」


 早く、と甘くねだるキミに

 ボクはそっと口付けた。


「苦いね、やっぱり」

日本語題:白いウソ

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― 新着の感想 ―
[良い点] "かなしい"をこの字で表したのが素敵。 [気になる点] これは男女なのだろうか? それとも…… [一言] 更新見逃してて「うわあ」ってなりましたよー 久々に読めて嬉しい。タイトルも好みです…
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