パジャマの力
「はぁー。」
これはレモンのため息だ。しかし、ため息とは言っても、呆れたり疲れたりしたら出る方のため息ではなく、嬉しくてつい出てしまうため息のようだ。その印にレモンの顔を見てみれば分かる。ものすごい笑顔だ。
「それでは少し見ていてください。」
そう言ってレモンはまた魔物を倒し始めたのだが…
「えぇ…」
これがパジャマの恩恵なのだろうか。さっきまで数十枚のドロップだったはずなのに、数百枚、下手したら数千枚とも見えるような金貨が見えてきたのだ…
「やっぱりパジャマが良いですね!楽しいですー。」
喜ぶレモンの声が聞こえてきたが私はまだ放心状態だった。
えっと、さっきまで数十枚だったのが数百枚になったんでしょ。つまりパジャマには、かなりの力が眠っているという事だ。 恐るべきパジャマ。
「どうですか?やはり地下に潜ってパジャマをきて魔物を倒すのが一番良いですよー。」
それから10分間レモンは魔物を倒し続けた。そうしてこちらに戻ってきたレモンが持っている金貨の量は、
「もう数えられないほど持っているね…」
「そうですかー?まあ、確かに人力では不可能レベルですよねー。やっぱりレベル405になれば着ることが出来るようになるパジャマって優秀だなー。」
「ちなみに…どのくらい集まったの?」
「うーん、少し待っていてくださいね。」
そうレモンは言うと、何やらスキルを使ったらしく、金貨を目でじっと見ていた。
「… 分かりました。恐らく金貨は50164枚集まりましたね。」
ここでみんな大好きハンバーガーで計算すると、ハンバーガー1個で金貨3枚必要だ。
えっとつまり…約16000個ほど買うことができるな。レモンの特殊能力のおかげでもあるんだけど、パジャマもチートレベルじゃない?
「ねえ?パジャマってどのくらい落とすお金を増やせるんだっけ?」
「えっと…確か12倍だったと思います。もちろんパジャマセットじゃないとダメですけどね。」
12倍って… 私が働いて手に入れられる金貨は毎月27000枚だったはず。だからパジャマを着て魔物を倒せば私の月給を軽く超えられるのか… もう、パジャマじゃなくてお金稼ぎセットっていう名前でも良い気がする。それより、私もパジャマを手に入れられれば私は、教会の仕事をしなくても生活できるのではないか…?
もう、教会に対しては興味はないからね。
「ねえ?パジャマってどうやって手に入れるの?」
「えっと…もう手に入れられないと思います。」
「え?」
そうなの…?そうしたら私は教会で働かなければならなくなる…
「どうにかして手に入れられないかな…?」
「確か、パジャマ自体はもう手に入れられないと思います。しかしパジャマと同じ効果を持つ服ならまだ手に入れられると思います。」
「そうなの?教えてー我が弟子よー。」
なんか、キャラ設定無茶苦茶だが、もう良いや。パジャマのようなものが手に入れられれば良いや。
「確か、ウェルーンツニ町の大会の優勝賞品だった気がします。」
え… なんか面倒くさそう。
まぁ、頑張る価値はある…のかな?いや、あるにきまってる!
あ、帰り道に聞いた話でパジャマはなんかしまえる魔法があるらしくそこの中に入れてたらしい。
多分扱いとしてはどこぞのドラ〇もんの4〇元ポ〇ット的な感じじゃないかな?
しかもお財布としても使えるように入れた瞬間に判別されてきちんと別々のところに行くようになっているらしい。
便利だなぁ…さすが魔法だ。
こんばんはー。これで異世界での仕事編は終わりになります。というより次回からは異世界での仕事編と次の編が混ざったような感じになると思ってください。
それではまた次回お会いしましょう。
さよならー(*'ω'*)