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現代ダメ男。  作者: 髙木 春叶
1/1

未来の天才、現代の……

世界から核をなくした未来


 核をなくしたことにより争いが


 なくなるのかと思われた。


 だが、そうではなく逆に身体一つで


 戦うようになり戦争は増えた。


 だが、身体一つ動きを良くするために開発された機械を使うようになり身体能力や筋力は重要ではなくなっていった。





 





 


 その時代に、天才とも言われた男が存在した。機械捌きが上手く誰にも負けないそして機械整備に長けていた。彼の名前は瀧 アカリ、たれ目に前髪の目と目の間の部分だけ短めでぱっつんそして横は目にかかるほど長いというよくわからない髪型を少し気に入っているどこか抜けている男だ。


大学を卒業し今まさに戦場へとむかおうとしている若き天才だった。


 「アカリ緊張してるの?」


 幼馴染みの女がそう聞いてきた。


 「全然!それよりワクワクしてるくらいだよ、やっと戦場にでれるんだから」


 戦場といっても身体一つで怪我はしても死ぬことはあまりない。大事だから2度いうが死ぬことは、あ、ま、り、ない。


 「さすが、首席なだけあるね!自信満々じゃん!」


 「頑張って早く偉くならないとな!」


 戦場で活躍すれば役職をもらえさらに活躍すれば上がるという普通の制度が用いられているためみんな戦場では手柄を第一にしている人が多い。


 「でもさ、なんか変なゲートには注意しなきゃダメらしいよ?」


 「変なゲート?」


 「あー、アカリは座学苦手だから知らないのか~!そのゲートはね、通るとなぜか消えてしまうらしいの、その後戻ってきた人は居ないしどこに飛ばされるかもわからないんだって。」


 「そんなものがあるんだな。でも、大丈夫だろ!そんなの通るわけがないじゃないか」


 盛大にフラグをたてた瞬間だった。


戦場へと出るゲートへと着いた。アカリの見たそのゲートは虹色で少し不思議な感じがしたが誰よりも早く行きたかったアカリの衝動を抑えることは出来なかった。


 「先に行くぞ!」


 「え、そのゲート違うよ!!!」


 その言葉を聞いたときにはもう遅かった。身体は半分ゲートを越えていた。止まれるはずもなく通りすぎると視界が真っ暗になり意識が途絶えた。





 目が覚めるとそこは見覚えのない景色だった。家も昔風の資料でしか見たことのない家で、それ以外もビルばかりのアカリたちの時代とは違い木や草があった。


 ここは時代劇の撮影場かなにかか?


人は居る。家もある。猫が歩いている。至るところから湯気が出ている。ここはどこなんだ?


 「お前さん、こんなとこで座ってなにをしておる。邪魔じゃよ」


 その声が聞こえ、後ろを見ようとした瞬間、アカリの身体は宙に浮いた。


 「え!?」


 なぜ浮いたか理解したときにはもうじいさんの肩の上に担がれていた。





 そしてそのままじいさんに抱えられて連れていかれてしまう。あまりの状況になにもわからずなすがままにじいさんの肩の上で揺られていた。





 俺はどうしてこんな状態になっているんだ。





 じいさんの家は軽い旅館のようなところだった。といってもアカリの、資料で見たことがあるなという程度のイメージなのだが。


 「ここは一体どこなんだよ!」


 「ワシの家じゃが?」


 「そういうことではなくて!」


 アカリの疑問は他のところだった違うゲートを通ったということは幼馴染みの発言でわかった。なら、ここはどこにでるゲートだったのか、なぜこんなに昔ながらのもう現代にはない風景の場所に居るのか。まさか、タイムスリップ?いや、それはないそんな技術は今もまだ開発されてないからだ。


 「今は何年なんだ?」


 「ワシがここに住みだして82年経つかのぉ」


 「いや、じいさんの住んでる年数なんか聞いてないわ!!!!」


 「あー、ワシは82歳じゃよ、まだまだ若いぞ!」


 確かにムキムキで82歳の身体つきには見えない顔はじいさんだし頭もツルツルだが、軽々と持ち上げられたし。ってそうじゃなくて!


 と、アカリは心のなかでノリツッコミしたところで。


 「今は西暦何年かって聞いてるの!」


 じいさんは少しとぼけた顔をして目の前に用意しておいたお茶を一口のみ息をついて寝始めた。


 「おい!なんでこの流れで寝るんだよ!」


 「おっと、心の中で答えて満足しておった」


 そしてまた目を閉じた。


 「またかよ!!!!!」


 「冗談じゃ」


 ホホッと少し笑いながら白い歯を見せつけてきた。


 「今は201×年じゃぞ」


 「そうか、201×年か…」


 201×年か。俺らの住んでた年は何年だったかな211×年だったよな。ん?おかしい。ん?なにがおかしい?


 「え!めっちゃ過去じゃん!」


 あまりの驚きに近隣の家に聞こえるくらいの声で叫んでいた。


 「あのゲートがやっぱ変なゲートだったのか過去にいくから戻れないんだな。くそ。どうしたら。」


 ぶつぶつと一人言を言っているとじいさんが


 「住むとこないんじゃろ、ここに住んでていいからワシの息子としてくらせ。中学生ぐらいじゃろ?名前は何て言うんじゃ?」


 「名前は、アカリだけど。」


 ん?中学生ぐらい?俺の見た目はそんなに若くも見えず年相応の見えかたをするはずなのに…


 アカリはすぐ横にあった姿見を見ると自分の顔が本当に中学生ぐらいになっていることに気づく。立ってみると身長さえ小さくなっているのがわかる。過去に飛ばされ見た目も中学生に。





 「この先どうなるんだよ、これ。」





彼の心配をよそにじいさんは市役所へとむかうようでアカリを連れ出していた。そのときやっと落ち着いて外の様子を見ることができた。木造の家もまだ多くありやはり過去の世界なことがわかる。現代はもう鉄筋コンクリートのビルしか建っていないような世界に変わってしまったため歴史資料で見たことしかない。アカリはそういった歴史的資料を見ることが好きだったためよく知っていた。





 市役所へ着くと





 「えっとの、孫の戸籍がワシの家になっているか調べてほしいんじゃが」


 「はい、わかりました」


 その後係りの人から色々なことを聞かれたり色々書かされたりしながらアカリは疑問に思っていた。待てよ、俺未来の人なのに戸籍とかあるわけがない。これ、不法入国的な感じになるのか!?





 「あ、もう、一緒に住んでるようになってますね。」


 あ、そうか、ならよかった。


 ん?なら、よかった?いやいや、おかしいだろ!なんで用意されてるの?色々とおかしいことが多すぎてついていけない。


 「そうかそうか、なら、帰るかの」


 じいさんの後ろをとぼとぼと途方にくれながら帰るアカリだった。


 「これで遠慮なくうちに住んでいいぞ。中学だけは通うんじゃぞ。」


 頷くことしかできない。


今はなにも考えたくなかった。家に帰るときもずっとボーッとしておりそのときの記憶はあまりなかった。家に帰ってもなにもする気にならずそのまますぐに寝てしまった。起きたときには、毛布がかけられていた。10月下旬なのもありもう肌寒く毛布が心地よかった。





 起きてもなにも変わってないか…


 中学に通えと言われたから通わないといけないが通いながら戻る方法を考えないと。なにもわからないがなんとかなるだろ。





 もう、意味のわからない状況に陥ったときのなぞのなんとかなるだろ感にアカリは陥っていた。


 「もう、起きてたのかご飯じゃよ」


 「あ、ありがとう。」


 ご飯を食べながらアカリは考えていたなんでこんなに優しくしてくれて知らない俺を受け入れてくれたのか。


 「それはの、前にも居ったんじゃ。お前さんみたいに道路で座ってたやつが。あいつはもう社会に出たがのぉ。」


 「そうなのか、だから…


 って、心を読んだのか!?」


 じいさんはとぼけた顔をしながら味噌汁をすすっている。


 「のぉ、アカリ。」


 「な、なんだよ。」


 「溢してるぞ」


 「え?」


 なにを?というかてが熱い…


 「熱ッ!!!」


 あまりの驚きに味噌汁をこぼしていた。そして味噌汁が手にかかっているのにも気づかずじいさんを見ていたのだ。


 「ドジじゃのぉ。」


 「あんたのせいだよ!!!」


 近所迷惑になる声でまた叫んでいた。これは、恒例になるな。とアカリは心で思ったとか思わないとか。





 


 それから数日後。


 もうすっかり現代での生活に慣れてきたアカリは周囲を散歩していた。この辺りは温泉が多く辺りから湯気が出ている場所が多かった。そして、観光地なようでよく道を聞かれることあったがまだわからず他の人へ聞いてくださいと断っていた。だが、じいさんの家付近の人とは仲良くなりだしこの時代の様子が少しずつわかるようになってきてはいた。だが、同年代とは話したことがなく中学に通うのに抵抗はあったが、1度は卒業しているからか謎の余裕はあった。





 「11月から学校行けるように手続きしておいたぞ。」


 十月も終わりを迎えようとしているときじいさんから突然に告げられた。ついに始まるのかとアカリは思った。現代の人間のタイプはなんとなく資料で見た。とにかくなめられないようにしよう。





 そして十一月一日。





 学ランというこれまた資料でしか見たことのない服を身に纏いアカリは中学へと向かった。道のりはじいさんと一度行ってみたため知っている。アカリが通う中学は夕日中学といい新校舎と旧校舎があり旧校舎は幽霊が出そうという表現があう場所で新校舎や体育館はかなり新しいものだった。学校自体は坂の上に建っている。校舎の向こう側には少し長い石階段がありその下に広めの校庭がある。ここで体育などをするらしい。


 アカリは学校へ着いたがどこへ行けば良いかはわからずとりあえず生徒に聞こうと思った。だが、誰も知り合いがいないので手頃な人をつかまえようとした。


 お。あいつは見た目も地味だし髪もボサボサな感じで眼鏡が似合いそうな少しぽっちゃりした男だ。あれは資料で見たぞ。真面目系のやつだなあいつならいけるだろう。


 「なぁ、今日転校してきたんだけど、職員室ってどこ?教えてくれない?」


 多少、横暴な態度でも大丈夫だろうとタメ口で今まで友だちであったかのようにアカリは話しかけた。


 「は?」


 明らかに怒っている声が聞こえたと思ったら、ものすごい衝撃が頬にきて、何メーターか飛ばされた。


 「お前、誰に口きいてるんだよ!生意気だなぁ!」


 明らかに名脇役って言われそうな俳優的オーラと顔をしていて、眼鏡に少し長めでチリチリした髪なのにとアカリは状況が掴めていなかった。


 「俺は、山田ツヨシ。この学校で一応一番強い男だ!」


 自分で言い切るのかよ!とツッコミたいところだがアカリもそれどころではなかった。頬は痛いしイライラするしで限界だった。


 「知るかそんなこと!」


 俺は向こうで負けなしだったんだよ。お前ごときに負けるか!


 アカリは殴りかかり相手の頬をパンチが捉えたが…まさにハエが止まるようなパンチとはこのことといわんばかりの威力だった。


 「マジかよ。」


 「お前、弱いくせにいきがるんじゃねーよ!」


 相手のパンチは見えていた避ければ良い。だが、身体は反応しなかった。眼は良くても身体能力が全く追い付いていなかった。向こうでは機械に普段頼っての戦闘だったため身体能力がアカリは低かった。この現代では無力だ。2発のパンチでやられてしまったアカリだが、すぐに起き上がり。


 「職員室の場所教えてください。」


 今度は丁寧にきいてみた。これしかこの場を逃れる方法はないとなぜか判断した。


 その場で見ていた人たちはあまりの、急転換に言葉を失ったがツヨシは。


 「そう言えば、良いんだよ。連れてってやるこっちだ。」


 「ありがとう!」


 心の底からの安堵から出る心底大きい声だった。その後そのまま連れていってもらい別れたが。まさかの再会を果たすことになる。





 


 「今日からこのクラスに転校してきた瀧君だ。自己紹介をしなさい。」


 先生からの軽い紹介があり自己紹介をする場面になったのだがクラスに入ってからずっと視界に入っている男がいた。頬が痛む…


 「お!今日の弱いやつ!」


 彼の声は大きい方ではなく、その言葉も少し聞こえた程度だった。彼は見た目と声とは真面目で名脇役な感じなのに。と憂鬱な気分で自己紹介をした。


 「瀧たき アカリです。よろしくお願いします。」


 みんなからの温かい拍手の後、空いてる席に座れ。その先生の言葉にアカリは嫌な予感を覚えた。そう、席はツヨシの後ろの席だった。ツヨシが一番後ろから2番目だったので一番後ろだ。


 「俺と席が近くてよかったな。」


 にやついたような顔でそう言う彼はまさにむっつりすけべだった。





 俺の学校生活、前途多難だな…


初投稿です。よろしくお願いします。

続けれたらいいな……

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