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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
六話:『纒 慎二』とデュエル
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裏路地の二匹の獣は人型だ。

人間が獣化病で変わったステージ4の姿。

手には爪が生えていて、殺気を放ちながらフラフラとこっちに向かってくる。

足元はゆっくりだが、こちらの様子を伺っているのだろうか。


(全く、いいタイミングだ)

俺はゆっくりと歩いて近づく。

元々この巨体で走っても、そんなに早くないし、ちょっと疲れるからだ。

その間に二匹の獣が距離をとり、横に離れていく。


(襲っては来ないな、ずっと伺うつもりか?)

俺は二匹の位置を確認する。狭い裏路地を広く使って、俺の横につく気だろうか。

赤い目の獣が、じっと俺を見ていた。


(伺うというか……引き付けるつもり、むっ)

俺はさらにもう一人の獣の姿を感じた。

二人の獣のさらに後ろから来たのが、別の姿をした狼男。


やはり赤い目をしているが、そいつが走っていた。

走った先に居るのが、同じ狼男の獣。

だが、それを踏み台にして、俺の頭の上を飛び越えようとした。


(あ、越えようとする)俺は右腕を頭上に振り上げて、飛び越える獣を狙う。

しかし、その俺の腕をスルリとかわしていく。


「そういうことか」こいつらは直線的ではない。

頭の上を飛び越された俺は、振り返ろうとしてやめた。

俺の動きを見てか、裏路地に広がっていた二匹の獣が走って向かってきた。


「いい、頭脳プレーだ」

「そうっすね、忘れていたっすよ」俺の背後にはノニール。

風の刃が、俺を避けた獣を襲う。そのまま獣が地面に倒れていた。

ノニールが俺の後ろで杖を持って、怪しく笑っていた。


「今日はオフのはずなのに、たくさん魔法を使うっすね」

喋るノニールに、俺の後ろを飛び越えた獣が襲いかかる。

しかし、ノニールの魔法が完成し風の刃が襲っていく。


「ギャアアッ!」

「立ち入り禁止は、ちゃんと守らないといけないっすよ」

「ああ、全くだ」

そう言いながら、俺は襲ってくる二匹の獣を両手の拳で殴っていた。

頭の中で《たたく》を、二回実行して二匹の獣が地面に伏せていた。

俺は背後のノニールに振り返る。アロハシャツの魔法使いも、苦笑いをしながら俺の方に近づく。


「しかし、こんな治安のいいアルカンテにも獣がいるとは……やっぱりアイツっすか?」

「まあ、どこにでもこういうのはいるだろ。それに、この気配は……もう一匹ねずみが隠れているようだ」

俺はゆっくりと看板の方に向きなおした。

そこには、不敵な笑みを浮かべた黒いローブの男が立っていた。

怪しげな笑みを浮かべて、「正解」とつぶやいていた。



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