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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
六話:『纒 慎二』とデュエル
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076

審判の声だろうか。マイクのようなもので喋った声が、この控え室にも聞こえた。

聞こえた瞬間に、周りが一気に沸き返っていた。

離れた控え室でも、しっかりと舞台の歓声が聞こえるようだ。


外の大歓声を聞いて、観客席の下にある控え室が揺れているような錯覚になった。

手足を縛った縄を俺が引きちぎる。

そばに置いてあった杖を回収したノニールは、青ざめた顔で俺に言ってきた。


「すまんっす、本当にすまんっす」

「誰にやられた?」

「あ、あいつっす!」

控え室のドア付近に、こっちに気づいた人影があった。

気づいた人影が、通路の方に走って逃げていく。

それに反応して、杖を握りながら険しい顔でノニールが部屋を駆け出していく。

俺も動くが、流石に巨体の俺は足がすごく遅い。それでも走ってノニールを追いかけた。


先行するノニールを追いに、俺は廊下をしばらく走った。

ニ分ほど廊下を走っていると、ノニールが止まっていた。

魔法を使い、逃げた人影の動きを止めていた。前の方にいる人間は、灰色のネズミの頭の男だ。

獣化病のステージ3というネズミ男は、足が完全に止まっていた。


杖の中にある石が光り、風の輪を発生させていた。

その風の輪が、ネズミ男の体と両腕の周りをグルグルと回っていた。


「もう、逃げられないっす。逃げようとすれば、風の刃で腕や体が切られちゃうっすよ」

ノニールの魔法で、ネズミ男が立ったまま動けない。

両手を風の鎖が絡みつき、ネズミ男は観念した顔に変わる。


「ノニール、もう止めたのか」

「お前らは……なぜ」口惜しそうに、俺たちを睨んでいた。

「さあ、僕らを後ろからやった攻撃した奴は誰っすか?」

「誰がお前なんか……ひっ」俺が巨漢で近づくと、威圧感があった。細めた目を、斜めにする。

間の抜けた顔だけど、巨漢の体で威圧していった。


「言わないと、凶暴な巨大な熊に食べられちゃうっすよ」

怪しく笑うノニール、俺は大きな体で近づく。

ネズミ男は、三メートル近くある大きな熊の俺を見て震えていた。


「ブリニッド様……」恐怖にひきつったネズミ男は、簡単に吐いた。

「やっぱりそうっすか……」男の自供に合わせて、魔法を解除したノニール。

ネズミ男は、戦意を喪失してヘナヘナとその場にしゃがんでしまう。


「まずいな、奴は舞台にいるぞ……」

「そうっすね、シアラ様が危ないっす!」

俺はすぐに動いていた。だが、巨体の俺がたどり着くのはやはり時間がかかった。

先にノニールが、俺の前を走って進んでいく。

少し遅れて俺が、舞台の入場口に向かっていく。その頃、舞台上ではとんでもないことが起きていた。



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