表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
六話:『纒 慎二』とデュエル
75/639

075

闘技場の表舞台は、二人の少女が戦っていた。

マリアの槍を、シアラが斧で弾き返す。

戦いが始まるたびに、声が地鳴りのように聞こえてきた。

そのVIPルームを出て外の歓声が小さく聞こえる通路を、俺はいつもの顔で歩いていた。


すっかり戦いに夢中のレティアは、自分の作戦が終わってホッとしているようだ。

だけど、俺はどうしても気になっていた。

ノニール側の作戦は、俺たちと同じようにシアラに会って証人と引き合せるだけだ。

ノニールと一緒に出てくる証人は、シアラが暴行されとされる兵士。

別段失敗しそうなところはないし、実際シアラが表舞台にも出てきた。


(さてと、シアラの控え室は……反対側だよな)

重い体を動かして、俺は通路をどんどん進んでいく。

闘技場の構造は、実にシンプルだ。円形の闘技場なので左右対称で、構造的に探すのは迷わない。


(あった、ここか)

シアラの控え室を見つけたが、鍵が掛かっていた。


(どういうことだ?)

俺は眉をひそめながら、ドアのノブをガチャガチャと動かす。

大きな手でドアのノブを動かすので、俺の怪力でモギ取れてしまった。


(あっ、開かないか……)

ノブが折れた鈍い金属音が聞こえた後に、俺の前のドアの方にドスドスと音が聞こえてきた。

部屋の中からの、大きな音だ。ガサガサという音、そのあと「んんっ!」という声が漏れた。


「誰かいるのか?」

ドアの前で、俺が大きな声で叫ぶ。反応はない。

仕方ないか、俺は右腕をグルグルと回していた。


(これは後で、レティアにでも請求するか)

迷うことはなく、鉄のドアを《たたく》で叩き壊した。

壊したドアの先には、人間が倒れている姿が二人いた。

二人共両手両足を縛られ、口も布で縛られたイモムシ状態の人間だ。


「の、ノニールっ!」アロハシャツ、短パンの魔法使いノニールだ。

もう一人は、ノニールと一緒にいた証人の兵士だ。

俺は部屋の中に入って、モゴモゴ言っているノニールの口元の布を取った。


「はあはあ、た、助かったっす……」苦しそうな顔をノニールが見せた。

「何があった?」

「実は、シアラ様に接触しようと試みたら……」

そんな時、ちょうど舞台の方から地鳴りのような歓声が湧き上がった。


「勝者、シアラ・ルデースっ!」という勝ち名乗りの大きな声が、舞台の方から聞こえてきた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ