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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
五話:『纒 慎二』と双子の友人
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久しぶりに同じ部屋に、四人が集まった。俺の椅子だけは二つ分だけど。

その中で、サラだけがよく状況が飲み込めていないが。

俺は早速、洗ってもらった服に着替えていた。

それを再び着て見せた俺に、満足気な顔を見せたサラだった。


「うん!やっぱりマトイさんは、こっちが似合いますね」

「昨日は、一日中裸だったからな」

「裸?」ビクッと反応したのは、レティアだ。

「レティア様、どうかしたっすか?」

「いや、なんでもない、なんでもない」

レティアが朝のことを思い出して、勝手に照れていた。

どうやら、屋上に行ったあと部屋を間違えて俺の部屋に来た。

俺の部屋はたまたま鍵が掛かっていないので、レティアはそのまま寝てしまった事の顛末だが。

恥ずかしがるレティアの隣で、サラが俺に語りかけていた。


「マトイさん、お洋服また買いに行こうね。着替えがないと、困りますからね」

「ああ」なんだか俺は、だんだんサラの着せ替え人形になっていないか。

まあ、自分がファッションに疎い。この体なので、一緒に付き添ってもらえるのはありがたい。

しかも、俺の所持金では衣装も買えないからな。


「あっ、みなさんが揃ったのでお茶でも入れますね」サラが言いながら、立ち上がった。

それとほぼ同時に、ノニールが口を開く。


「で、レティア様はどうでしたか?シアラ様のこと」

「あの子は、やっぱり戦う気があるわ。だけど無理ね」

「そうっすか。シアラ様の話ですが、マリア様が暴行する人間と言っていたっす」

「それ、昨日も聞いたぞ」俺も口を挟む。


「あら、あたしはマリアの不倫の話を聞いたわ」

「シアラ様が、やはり同じことを言っていたっすか」

「そうね、でもシアラは暴行をしていないわ。これに関しては、間違いないと思う」

レティアの考えは、俺も同じだ。

三人で喋っている間に、サラが四人分の紅茶を入れていた。

紅茶からは、いい匂いがしていた。


「これは……」

「『サトラゾの葉』をいれた薬膳紅茶です。

これを飲みながら話すと、頭がスッキリ整理されるんです」

「へえ、ありがとう」レティアが感謝を述べた。


「それで、なにかあったのですか?真剣に話をされていますけど」

「今回はサラには関係ない、勇者の話だから」

「そうですか」紅茶を配りながら、サラも空いている椅子に座る。

そのまま穏やかな顔でサラは、静かに紅茶を飲んでいた。


「不倫と暴行、それぞれを否定している」

「そうね、ノニールもマリアのことはどう見る?」

「うーん、マリアさんのことはよくわからないっす……」

ノニールは、レティアほど内密ではないようだ。


「マリアがシアラと戦う決闘は、あと二日後か?」

「そうね」帰り際に、大通りの闘技場を見てきた。

円形の闘技場では、まばらに観客が入っていた。

この街で兵士たちが、模擬戦闘をやっていた。

闘技場の柱や壁に、決闘(デュエル)のポスターがあちこち貼ってあった。

勇者を決める決闘、これは一大イベント化していた。

街の中にもいっぱいポスターが貼ってあるし、賭けなんかも流行っているみたいだ。


「なあ、レティア。決闘も近いしどうする?」

「一つ、わかったことがあるの」

「わかった?」

「二人は信任されない以上、決着をつけないと思う」

「信任?どういう意味だ?」

「勇者は信任されないと、勇者になってから苦労するわ。

みんなが認めない勇者って、裸の王様と同じ。

信任されない限りは、本気で戦わないし、決着もつけない」

「信任か、どうすればいい?」俺は単に聞いてきた。

「簡単よ、認められる人間になればいいわ。

そうか!二人の噂が嘘だと晴れれば、戦えるんじゃないかしら?」

レティアが紅茶を飲みほしながら、立ち上がった。


「ねえ、しばらく身辺調査をしましょ。この誤解の元になった理由を、知れば二人は戦えるわ!」

レティアがやる気を見せて、拳を突き上げた。

俺は半分乗り気ではないが、勇者レティアに流れに従うのだった。

サラはその隣で、のどかに眠っていた。


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