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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
五話:『纒 慎二』と双子の友人
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ここは、アルカンテのほぼ中央にある広場。

すぐ近くには、闘技場が見える広場は多くの露店が出て賑わっていた。

大道芸人がパフォーマンスをしたり、歌を歌ったりと人の集まるところでは賑わっていた。


その中でも金色の鎧でビキニという目立つ格好のレティアは、やはり目立つ大きさの俺と歩いていた。

服のない俺は、大柄のマント姿でやはり目立つ。

体長二メートルを軽く超える俺と、ポニーテールでビキニ鎧の女の組み合わせは目立たない方がおかしい。

たまにチラチラと人が見てくるが、レティアは全く気にしていない。


「ノニールは、マリアの方に向かったわ」

「そうか……でもいいのか?」

「何が?」

俺とレティアは、広場にある像の前にやってきた。

この銅像は、かつてアルカンテを救った双子の勇者の候補の祖先の像だ。

勇者はこうして見ると、人から崇められているのがよくわかる。


「彼女からちゃんと話を聞かないとね、この戦いの理由をなんとかしないと」

「まあ、そうだな」

ノニールは、レティアが決闘のつかない原因を知っていると言っていた。

それを元に、彼女は行動を起こそうとしている。


「コンレイ……もしかしてコンレイなの?」

俺とレティアが話していると、奥から一人の人間が近づいてきた。

それは短い髪で、白いシャツに短い白のスカートを履いた女。

昨日のような険しい表情ではなく、驚きと笑顔に満ちた顔だ。


「シアラ……お久しぶりね」

「うん、コンレイも大きくなったわね……あっ、今はレティアか」

「コンレイでもいいわよ、シアラ!」

シアラとレティア(コンレイ)が、再会した。

互いに手を取り合って、シアラとレティアは抱き合っていた。

二人は、仲がとてもいいのが伝わってきた。年齢的にも、性格的にも合うのだろう。


「どうしたの?アルカンテに来るのは、知っていたけど。いつから?」

「一昨日に来たの。ホントはすぐに会いに行きたかったけど、忙しくて」

「あら?ケガしているの、コンレイ。大丈夫?」

「ええ、大丈夫よ」レティアは、笑顔を見せて応えていた。

俺はそんな二人の親友の再会を、立会人のように眺めていた。


「あっ、彼の紹介がまだね。彼は『(まとい) 慎二』。

みんなからマトイって言われているわ」

「一度会っているけど、ちゃんとした紹介がまだのようね。あたしはシアラ。シアラ・ルデースよ」

「纒だ、よろしく」昨日、会ったけどシアラが丁寧に挨拶をしてきた。

それに合わせて俺も、自分の名前をもう一度挨拶をした。

親友のレティアがいるせいか、シアラの雰囲気が昨日と違って穏やかに見えた。


「レティア……それよりあたしを、わざわざ外に呼び出したりして何かしら?」

「アルカンテに来たから、シアラに話をしたくてね」

「そうだったわね。子供の頃の約束、覚えている?

あたしの街(アルカンテ)に今度来た時、案内してあげるって言った約束を覚えている?」

「もちろんよ、覚えているわ」

「でも……ごめんね」レティアに対して、シアラが素直に謝っていた。


「いいのよ、もうすぐ決闘(デュエル)でしょ。話は聞いているわ」

「そうね」そのことをレティアに言われて、シアラの顔が曇っていた。

シアラにとってこの決闘はレティアには、見せたくない一面だろう。


「ねえ。レティアは勇者になったのに、旅をしているの?」

「まあ、勇者だし……父さんもいるから」

「そうか。ああ、あたしも早く勇者になりたいわ!」

「うん、シアラならなれるよ。覚えている?子供の頃、教会で出会った獣の時。

シアラはあたしのことを助けてくれたし、戦う勇気を教えてくれたから」

「ああ、あの時ね。ちゃんと覚えているわよ。

あの時はコンレイ……あなたを守るために必死だった。

何も考えないで、あたしは戦うことができたの」

「カッコよかったわよ、ほんとに」

「えっ、すごく照れる……」レティアに言われ、わかりやすく顔を赤くしたシアラ。

銅像前で三人に話す、昼下がり。レティアが急にしんみりした顔に変わった。


「風の便りで、ボラウェン様が亡くなったのを聞いたわ。二年前に亡くなったのね」

「ええ、そうね。ほんの少し、賢者様の到着が早ければ……

だけど、それを悔やんでも仕方ないわ。コンレイのお父様は、元気かしら?」

「相変わらずピンピンしているわ。

いつもどおりファルメカスで、元気に守っているわよ」

レティアの話に、シアラが嬉しそうな顔を見せていた。


「ねえ、コンレイ。今は空いているかしら?」

「もちろん空いているわ」

「なら、私の父に会って欲しいの」

「いいわよ、あなたに話さないといけないこともあるから。マトイも来るでしょ」

レティアは、俺に話を振っていた。俺は迷うことなく、彼女の前で頷いた。



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