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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
四話:『纒 慎二』と盗賊少女
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054

夕方、俺たちはアルカンテの町外れに来ていた。

このあたりは港が近いらしく、城がほぼ真横に拝める場所だ。

潮風をほのかに感じながら、民家の裏路地に来ていた。


裏路地には、通行止めの看板がしっかりと立っていた。

それを無視して、先に進んでいくクラー。アレ、こんなの昨日もなかったっけ。

裏路地は、一本道になっていて奥がカーブになっていた。この裏路地は、何軒かの家の裏と壁で作られていた。


「このあたりは危険だから、クラー達の方で道を塞いでいるの」

クラーに案内された裏路地は、影になっていて薄暗い。


「いかにも、って感じっすね」

「ああ、そうだな」

「最後の処理には、マリア様も手を貸してくださるそうです」

ノニールと俺は、小さなクラーの後をついて行く。

先頭を警戒しなら歩くクラーは、すり足で音を立てない。

クラーは盗賊であり、体が小さいのは遺伝だそうだ。年齢は、二十代らしいがヒミツにされた。

この世界の人間は、俺よりも年上なのに年上に見えないヤツが多い。


「マトイ君は、それにしてもやる気っすね」

「何がだ?」

「あそこで、自ら立候補するなんて」

「暇だから……だよ」

本音は違う、素直にレティアが心配だった。

勇者と呼ばれたレティアのことだ、誰も行かなければアイツは再び一人でも行くだろう。

昨日だって俺たちに何も言わずに、一人で妖魔の退治に向かった女だ。

勇者としてのサガだとしても、一人で突っ走らせるのは危険だ。単にそう感じたからだ。


「マトイ君、妖魔がどんなやつか知っているっすか?」

「モンスターみたいな感じじゃないのか」適当に言ってみた。無論RPGの画面内の経験だが。

「確かに、昔の世界のモンスターと同じでいいの。ここの妖魔は、一言でいえば大きな目玉ね」

「目玉?」

「目玉に触手が生えたヤツ、クラーたちはそれを『悪魔の目玉』と呼んでいるわ。

こいつの攻撃方法は、目から魔法を放ち、触手で攻撃するわ」

「ふーん」大きな目玉に触手か、なんかすごい形だな。

「『魔王の穴』は夕方にしか発生しないから、妖魔もそこに出てくるの。

夜遅くになると、妖魔は穴から戻るみたい。この穴に入った人間は、二度と戻ることができないわ」

「いろいろ、危険なものがあるな」

「魔王の穴から出てくる……シッ!」

先頭を歩くクラーが両手を広げて、俺とノニールを止めた。

裏路地のちょうど真ん中あたりの小さな広場に、大きな目玉みたいなのが空を飛んでいた。


「いるわね。さて……あんたの腕を、見せてもらうわよ」

「説明通りだと、物理攻撃はちゃんと効くんだよな」

「もちろんよ、ただ穴には絶対に近づかないことね。まあ、あんたの大きさなら入ること無いだろうけど」

「入るとどこに行く?」

「知らないけど、帰ってきた人いないし。

とにかく穴には近づかないで。物理攻撃も、魔法攻撃も一切効かないから。聖剣以外では……」

「わかった、じゃあ行くか」

先頭が俺になってドスドスと足音を立てて、前に進んでいく。

隠し様もない俺の大きな体を見つけて、空を飛んでいる大きな目玉は反応した。

大きな目玉が、フワフワと風船のように俺の方にゆっくりと近づいてきた。



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