表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
三十九話:『纒 慎二』と呪われた大陸
498/639

498

勇者の登場、異様な熱気のホーフブルグの演説から調査団の第一陣の発表。

その日の夜の宿舎では、活気に満ちていた。

ホーフブルグは、士気を上げるのがうまい。

サプライズを用意して、調査団の出発前に最高潮に士気を高めていた。


「隊長は、選ばれなかったのですか?」

サーレスと夜の食事をしていた。今日の食事は、豪華だ。

やはり、魚中心の食事なのは変わらないが。魚料理がたくさん並んでいた。


「そうだな、サーレスは第一陣に選ばれたか。

こういうのは、所属ごとに同じだと思っていたのだが」

「他の国も、それぞれ別々に分かれているらしい。

残るのは七人、他のメンバーは全員調査団に参加らしいな。

団長たちの首脳部が、どうやら決めたのだろう。な、サーレス」

俺は若い部下の右肩に、手をかけた。


「怖いのか?」

「いえ、むしろアントン隊長の方が……第一陣にはふさわしいと。

こちらは、トロンダールに残って守備をすると」

「裏方だと思っているのか?」

「いえいえ、滅相もない」

「俺はこの人選は、よかったと思っている」

「どうしてですか、アントン隊長?」

首を傾げたサーレスが、俺に疑問を投げかけた。


「お前は若い、これからこの調査団を経て、将来がある。

お前がこの大陸で見聞きした新しいことは、カイペルの未来につながるだろう」

「隊長……」

「まあ、勇者セイツ様もいるんだ。彼がいるし……」

「ああ、心配だ……どうしよう」

そんな俺たちのそばを、ブツブツ言いながら歩いていたのはダムレイだ。


「ダムレイさん?」

「ああ、先ほどはどうも。カイペルの騎士様」

ダムレイは俺の方を見て、頭を下げた。

こうしてみると、普通の男性医師にしかみえない。


「どうしましたか?」

「いえ、僕とナーリーが別れることになりましてね」

「世界平和医師団もですか?」

「ええ、兵士さんは理解できますが……僕はどうしても理解できないのです。

なぜ、医者の僕と薬剤師のナーリーが別々なのか!」

「ダムレイさんは、優秀な医者ですし、ここの拠点を守って負傷兵の治療にあたるとか。

ここは、一応『聖女の柱』もあって安全ですし。

帰る場所を守るのは、とても大事な仕事ですよ」

「そうじゃないんだ、見たんだよ」

「はい?」

「船にいた時から、ナーリーがホーフブルグの部屋に夜に呼ばれたのを」

「薬剤師して……ではないのですか?」

ナーリーは、大人というよりは少女の見た目だ。

それとも、ホーフブルグはそういう趣味があるのだろうか。


「いや、それが……」

「大丈夫ですよ、そんな関係じゃないです」

ナーリーは、ダムレイのそばに来ていた。

小さいナーリーは、いつも通り元気な笑顔を見せていた。

やっぱりその顔は、無邪気な少女の顔に見えていた。


「ナーリー」

「大丈夫です、私は薬剤師として彼にお願いしただけですから」

最後の笑顔は、それでもどこか少し影を落としているようにも俺には見えた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ