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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
三十九話:『纒 慎二』と呪われた大陸
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夕方から周りがさらに暗くなるころ、俺たちは戻った。

この街は、大きな建物が三つしかない。

いずれもレンガの建物だけど、レンガの色でその建物がどんな建物かわかる。


青いレンガの建物は、宿舎だ。

ここは、調査団もかつて拠点にしていた。

簡易宿舎があり、五十人ほどが宿泊できる施設だ。

アントンが案内した部屋で、俺らは通された。

流石に、船旅と違って個室というわけにはいかない。

六人の部屋で、ベッドが狭そうに置かれていた。


案内されながらも、俺は頭の中で考えていた。

『魔族』という言葉を、この世界で初めて聞いた。

ノニールが言っていた魔族は、この街の周囲を飛び回っていた。

数は肉眼でも、十以上は見えた。

だけど、俺たちのいるこのトロンダールには襲ってこない。

やはり『聖女の柱』の力で、退けているのだ。


「マトイ、何やっていたのよ」

考え事をしている俺に声をかけたのは、ベッドの上に座っていたレティアだ。


「ああ、レティアか。一人だけか?」

「そうね、シブーストはサラとどっかに行ったわよ」

「そうか」最近、シブーストがサラとよく行動している気がする。

船の中でも、シブーストが何度かサラに会いに行っているようだ。

だけどその密会の後に、サラが困った顔になっているようだ。


「なあ、レティア」

「なに?」そのレティアのそばには、ノニールがいた。

さっきまで俺たちと一緒に、外に出ていたノニールだ。


「勇者は、魔族のことを知っているのか?」

「そうね、知っているわよ」

「魔族ってなんだ?そもそも……」

「一言でいうと、魔王の手下よ。ノニールも見たんでしょ」

レティアの言葉に、ノニールが黙って頷いた。


「シンプルすぎるな」

「魔王の手下として、魔王を蘇らせようとしていた」

「そうか」何となくわかっていたが、俺たちは魔王に近づいていた。

それは、この大陸に来ただけで理解した。


「あの黒い土は?」

「魔王を蘇らせる儀式の道具、詳しい成分はノニールが調べるでしょう。

だけど、それよりもそれがここにあるということが問題よ」

「魔族が、魔王になるために種でも蒔いているのか?」

「まあ、そうね。当然、彼らの目的は魔王の復活。

だけど、想像以上に魔王復活の儀式は進行しているようね」

「いつ蘇るんだ?」

「それはわからないけど、かなり早いわ」

レティアは、深刻な顔で言ってきた。


「まあ、この大陸を調べていけば……魔王に近づけると思うわ。

それに、調査団もそれを目的で調べているはずだから」

「ああ、サラの両親が参加した調査団か」

それは、幼いサラとハトを置いて、世界平和医師団(アスクラピオス)の一員として行った調査団。

調査団の規模がどれくらいか知らないが、いろんな人間が参加しているらしい。


「あの調査団に、勇者も参加していたの」

「マジか……いやありえないこともないか」

この大陸は、勇者と魔王が戦った大陸だ。

だとすれば、調査団が参加しても不思議ではない。


「そういえば、この調査団って……ダムレイがやったのか?それとも勇者が……」

「ま、マトイさん……」

そんな中、部屋に一人の少女が入って来た。

それは、泣いている少女……いやサラが俺たちの目の前に入って来た。



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