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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
三十九話:『纒 慎二』と呪われた大陸
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この街は狭いし、建物も少ない。

周りを円形の壁ができているが、狭い。

その円形の壁の先には、町の外があるだろう。

それでも、俺は気になることがいくつもあった。


「ユキ、何かあったのか?」

「別に、怒ってはいない」

「俺はそんなことは、言っていないぞ」

俺に言われて、気まづい顔を見せたユキ。

それでも、表情をあまり変えない。真剣な顔で、何か地面を見ていた。


「マトイ殿は、フロランタンの話をしたな」

「ああ、皇帝フロランタンは世界を救うために国を統一した。

世界を救うためこと、つまり来るべき魔王との決戦に備えて……」

フロランタンの野望は、国を統一して来るべき魔王に備えるためだ。

その話を、俺はユキやシブーストに話した。

隠す必要もないし、船旅が長かったから話すことにした。


「魔王が蘇るとき、この世界に前兆が起こるらしい」

「どんな奴なんだ、魔王は?」

「さあ、詳しいことはレティア殿が詳しいだろう」

「なかなか、詳しくなさそうだ。

現実問題、ここにきていないのがその理由だ」

ユキのそばには、俺がいた。

だけど、シブーストもサラも、もちろんレティアたちの姿もない。

おそらくアントンに案内されて、宿舎へと向かったのだろうか。


「それにしても、ずっと曇っているな」

「曇っているが、雨は降らない」

「確かに、この船旅でも雨は一度もなかったな」

船旅を思い出して歩いていると、まもなくして俺たちは円形の壁の出口の近くにいた。

だけど、それは明らかに違っていた。


「これは……黒い」

それは、町の外に広がる黒い地面。

黒い土が、壁の外にはずっと広がっていた。

町の外は、まさに黒の荒野だった。


「これは……」

「『魔王土』だ。こんなものが、この大陸にあるとは」

「なんだ、それは?」

ユキがしゃがみこんで、地面の黒い土を手にした。

見た目は、ただの黒土にしか見えない。


「錬金術、いや、魔術の一種で用いられる錬金アイテムの一つだ。

ビレウス所長なら詳しいのだろうが……」

「ボクは、わかるっすよ」

それは、背後にいたノニールだった。


「の、ノニール」

「いつからついてきたんだ?」

「ずっとついていたっすよ。やだなぁ。ボクって、そんなに存在感ないっすか?

それに……レティア様も気にしていたっすよ」

そんなノニールが上を指さした。

上空には鳥……というよりは人が飛んでいた。

人に翼が生えていて、それが自由に空を飛んでいた。


「あれは……」

「魔族っすよ」

町の外にある、黒い台地の上空には魔族が何人も空を飛んでいた。



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