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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
三十九話:『纒 慎二』と呪われた大陸
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アントンが指さし緑色の石柱の正体を、俺は知らない。

初めて見るようなその石の柱は、どこか暖かい光だ。

森の木漏れ日のような、そんな暖かさを感じた。


「これは……」

「大司祭フロア様、『聖女の柱』」

「さすがは勇者、よくわかっている」

アントンの問いかけに、レティアはスラスラと答えていた。


「この聖女の柱には、魔を退ける力がある。

柱の及ぶ範囲に、このトロンダールの町は存在していた。

これがどういう意味か、わかるか?」

「魔が周囲を、取り囲んでいる。だから結界として、この柱を作り出した……でしょ?」

「やはり、勇者は知識があるようだ。

そうだ、このテスコンダルは魔があちこちに存在するのだ。

だから命を守るために、この『聖女の柱』が存在している。

この柱の範囲外に出た場合、命の保証はできない」

アントンの言葉には、重みがあった。

それを、真剣な顔でサラは聞いていた。


「それでも、パパやママはここを出たのでしょう。

調査団として参加して、ここにやってきた」

「一つ聞くが、探している人が死んでいても後悔はないのか?」

「死んでなんかいません」

サラは強気に言い返した。アントンは、首を横に振った。


「では何を、根拠に言っている?

この大陸に来たばかりだというのに」

「根拠は……わかりませんけど。ママは、死んでなんかいません。

私はそれを確かめに、ここに来ました!」

「やはり、何もわからないようだな。

ダムレイめ、希望的観測を与えおって。

あやつもまた、この島の呪いにとり憑かれているのだろうな。

仕方のない男だ……」

「アントンさんは、何かご存じないですか?」

「明日、そこの船がアロイジオに向けて出港する。

その船に乗って帰れ!」

「嫌です!」

アントンが首を横に振るが、サラは否定した。

俺はそんなアントンの顔をじっと見ていた。


「何か知っているのか?」

「そうだな、少し自分の足で見て回るがいい。

俺はいったんそこの宿舎に帰る、お前たちも今日はそこで泊っていけ。夜は危険だ」

アントンが、あきらめたように言うと近くにあるレンガの建物を指さした。

その建物は平屋の大きな建物が、そこに見えていた。


「では、そうさせてもらおう」

「おい、ユキ」

急に不機嫌な態度になったユキは、アントンから離れるように町の奥へと進んでいった。


「お、おいっ!」

俺は仕方なく、彼女の背中を追いかけていった。

そんな俺たちに、アントンが最後に一言。

「何も知らないでこの街を出たら、お前たちは死ぬぞ」

そんな意味深なことを、俺たちに言い残していた。



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