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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
三十九話:『纒 慎二』と呪われた大陸
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アントンという男は、老騎士の見た目だった。

腰には短いけど剣が二本、刺さっていた。

肩あての紋章は、見たことがない。

ひし形の模様に、逆三角形が中に三つ。


「ようこそ、このトロンダールに」

「初めまして、ダムレイの娘のサラと言います」

「そうか」険しい顔で、サラを見ているアントン。


「あなたは、何者なの?」聞いたのは、勇者レティアだ。

「勇者……か。俺の名前はアントン。

この町、トロンダールの警備をしている者。

十数年前の調査団の後始末をする、この大陸にとり憑かれた男だ」

勇者のことは、アントンは知っているようだ。

まあ、少し寒そうなビキニ鎧のレティアには突っ込まないらしい。


「とり憑かれた?」

「まあ、この大陸は亡霊が多いからな。

死んだ大陸と言われているのは、そのためだ。

思いに縛られて、逃げることも出ていくこともかなわない。

この島の、呪いが存在するのだよ」

「呪い?なんなのよ、それ?」

レティアが、嫌そうな顔を見せた。


「この大陸には、古くから魔王の呪いがある。

勇者と魔王の戦いの果てに、この世界は勇者エドによって救われた」

「当たり前でしょう」

「だが、敗れた魔王はどうだろうか?

勇者に復讐をするために、再び蘇らんとしている」

「そうらしいな」

戦いの最後でフロランタンの言葉の通りで、間違はなかった。

どうやら、この大陸ではこれが常識なのかもしれない。

この空が、灰色でどんよりとした曇りがため込めていた。

船に乗った時から、ずっとそうだがこの大陸の近くの雲がずっと曇りのままだ。

晴れている空に、なったことがない。


「ところで、勇者よ?」

「何よ、急に?」

「ここに来たのは魔王の復活を、阻もうとしにきたのか?」

「それは……」

レティアが口に出そうとすると先に反応したのが、サラ。


「私は母親に会うために来ました」

「ダムレイの娘が……正気か?」

それは、アントンも驚きの一言だ。

そのまま、アントンはサラの方をジロジロと見始めた。


見た目は旅医者、幼く童顔な少女だ。

とても戦う強さらしきものは見えない。

むしろ可憐でおっとりした、どこにでもいるような町娘だ。


「薬剤師ナーリーに、会いたいというのか?」

「はい」

「そうか、その姿で言うのか?」

「私は本気です」

どんなに言われても、サラは強気だった。

ナーリーに会いたいという気持ちだけは、変わっていない。

いろんな人間に反対されても、彼女は諦めないし曲げたりもしない。


「だが、お前はこの大陸について……何も知らないだろう」

「それは……」

「では聞くが、その石柱が一体何かわかるか?」

それは、町のほぼ中央に大きな光り輝く石柱が見えた。

石柱は緑色の光を放ち、周囲を照らしているかのようだった。



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