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イセカイGO!  作者: 葉月 優奈
一話:『纒 慎二』とグリゴン
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海岸から島に向かって歩く頃、黒い雲が出てきて一雨降りそうな天気に変わっていた。

砂浜から少し離れた橋を渡り、離れ小島にたどり着く。

そこに行くまでに、ノケモンの反応が大量にあった。


俺は、観光地で有名な島の神社に続く階段を登っていた。

この島は、小学校の時に遠足で一回行ったことあるから分かっていた。

これまで結構歩いてきた距離と、長い階段を登ったので足腰に疲れがきていた。


(観光地っぽいところは、珍しいノケモンいる……か)

島で一番高いところにある神社は、外国人の観光客が多くいた。

観光客が多い人ごみの中、俺は歩きながらノケモン探しを続けた。

低レアノケモンをゲットする外国人のを尻目に、俺はスマホ画面で探索をかけた。

そんな俺のスマホ画面を見て、口元に笑みを浮かべていた。


(やっぱり、レアモンスター多いな)

ノケドゥには、レアモンスターと言われるヤツらがいた。

通常の場所では、ほぼ発生しないモンスターだ。

レアなモンスターは、観光地で取れることも多いという噂はネットで流れていた。

都市伝説の根も葉もない噂と半ばタカをくくっていたが、実際スポットに指定されているところもあった。

そして、ここも真実であった。


(マジか、グリゴンがいるのか……)

グリゴン、それは熊のようなレアなノケモン。

全身を茶色の毛で覆われた、腹の出た熊のノケモン。目が細くて、いつも眠たそうな間抜けな顔。

ノケモン全種類の中で、最も大きくてそれに比例するようにタフなノケモンだ。

ただ欠点としては、すばやさが致命的に低い弱点がある。対人戦では、使いにくい。


性格的には基本的にはほぼ一日中動かないで、寝て過ごすだけのグータラのノケモン。

グリゴンを見つけた俺は、迷うことなくスマホを操作した。

ゲットするためには、ノケモンの体力をある程度減らす必要があるからだ。


(じゃあそろそろ、ペットシリンダーを)

スマホ画面外のペットシリンダーを、タップしていた。

ペットシリンダーの中には、コンドルの姿をしたノケモンが出てきた。俺がゲットしたノケモンだ。


空を飛んでいるノケモンは動きが早く、先手を取って攻撃。

相性もいい攻撃で、グリゴンの体力を削っていた。

動きの遅いグリゴンが反撃するも、その攻撃は当たらない。

相手のグリゴンの体力を見て、俺は二段階目の行動をスマホで移行した。


(あとはこいつを筒に入れて……完成か)

スマホ画面からメニューを開いて、空のペットシリンダーをタップする。

タップのタイミングで、ゲットできるかが決まる重要な操作だ。

鳥居の前に立っていた俺は、スマホ画面を緊張した顔で見ていた。


(成功してくれよ、レアモンだから……)

俺は心でそう願いながら、タイミングを図っていた。

グリゴンのわずかな動きを見て、俺は緊張した面持ちでスマホを操作した。


だが、次の瞬間に空が変わった。

空は曇り空がさらに黒くなり、俺を中心とした上空で渦巻いていた。


突然の天候変化に周りの観光客も、ざわざわとし始めた。

さらに、大きな音でゴロゴロと雷も鳴り始めた。

雷が光ったかと思うと、周囲の観光客が驚いた表情を見せていた。


俺の頭上に稲妻がはっきり見えて、俺の体に降り注ぐように落ちてきた。

「えっ?」それは、一瞬のことだった。

全く逃げることもできなかった俺の体中に、電気が走る感覚があった。

周りの人間は、身近に落ちた雷を見て驚きの顔と悲鳴が聞こえてきた。


(なんだよ、雷なんて……)

雷に打たれた瞬間、人間の心臓の鼓動音で生き死にが決まるらしい。

なんか、そんなことを昔のテレビで見たことがあるな。

あれ、今度は目の前が真っ暗になる。

死ぬ間際になると、人間は走馬灯のように思い出すことがあるらしい。

その例に漏れることなく俺の頭の中にも、走馬灯のようにある一つの絵が浮かんだ。


(グリゴン……)架空の世界で、ノケモンドゥの世界にしか存在しないモンスター。

その生き物の姿が、まるで俺の体の前にどんどん大きくなっていくのが見えた。


激しい音を立てた雷が終わると、周りがピカピカと光っていた。

二度目の光があった頃には、鳥居のそばにあった俺の姿はもうなかった。

そこにあったのは、ヒビの入った電源の入らないスマホだけがゴトッと落ちていた。



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