理不尽なひろみにゃん 挿絵有
※ 2018,11,30 挿絵の追加
「みゃ~……みゃ~……」
ちょっと時間が経って、家形のクッションの中ではごそごそと動き回る集団がいる。
「…………」
その様子をただただジッとノシッとコタツの縁に乗りながら眺めるチャラスケ (父)
すると――
ひょこっ……
キョロキョロ……
「みゃ~……?」
クッションの中から出て来る子猫が一匹。
「……チャラスケ見えてるにゃ?」
少し離れたところで寝ていたごまの声がする。
「見えてるにゃ」
チャラスケは真剣な声で答えた。
てこてこ
こてん……
「「にゃ!!」」
見ている先で子猫が転んだ。
「しょうがにゃいにゃぁ~……」
むふぅ~っと鼻から息を吐きながらチャラスケはすくっと立ち上がっててくてく歩きだした。
てくてく……
てくてくてく……
たどり着いた子猫の前で立ち止まってじぃ~っとその姿を見る。
茶色いトラ模様の小さな体。
「まるで俺みたいにゃ……」
連れて行こうと首の後ろを噛み持ち上げようと口を開けた――
ダダダダダダッ!!
「にゃにするにゃ~~!!」
何処からか走って来たひろみにゃんがチャラスケの前で飛んだ……
メキャ!!
ひろみにゃんの目いっぱい伸ばした腕がチャラスケの顔に直撃した!!
「痛いにゃ!!」
反動でチャラスケは飛び上った。
「あんたはまだ近づくにゃ!!」
「だって……外に出てきたから……」
「うるさいにゃ!!」
「理不尽にゃ!!」
子猫の前に立ってひろみにゃんが凄い顔でにらみつける。
――これは……ヤられるにゃ……
何も言い返すことが出来なくなってすごすごと元の位置に戻ってきたチャラスケ。
後ろではまだひろみにゃんがうー!! とかフー!! とか言っている。
「お前にゃっちって……仲がいいにゃ」
ごまがニヤッと笑いながら声を掛けてくる。
「どこがにゃ……また怒られたにゃにょに……」
コタツの縁でまた丸くなるチャラスケでした。
子にゃんこを守るひろみにゃんは……怖い!!(チャラスケ談)




