チャラスケと怒るひろみにゃん
「もうすぐ寒くなるにゃ~」
言いながらコタツの縁で丸くなるチャラスケ。
チャラスケの住む家ではご主人様たち家族が寒がりなこともあり、十一月の頭にはすでに各部屋にコタツが備えられていて、人さえいればその部屋のコタツは温もりを供給してくれる。
「ところで……」
「?」
チャラスケの隣に丸くなっていたごまが目を細めながらチャラスケの言う事を聞いていた。
「最近ひろみにゃんいにゃいけどごまちゃん知らにゃいか?」
「本気で言ってるにゃ?」
ごまはめんどくさそうにため息をつく。
そして首だけをくいっとある一点に向けて振った。
そこには――
「みゃ~、みゃ~。にゃにゃ~」
小さな家型のクッションが置かれておりそこから聞こえるか細い声。
「にゃんにゃ?」
チャラスケは耳を立てて聞き入る。
「ひろみにゃんはあそこの中に四日前からいるじゃにゃいか!!」
ごまはまためんどくさそうにつぶやいた。
「にゃんで?」
不思議そうにつぶやくチャラスケ。
「……子が生まれたにゃ」
「誰のにゃ?」
「チャラスケ……お前たちのニャ!!」
フンっと鼻を鳴らして顔を戻し下を向くごま。
「俺のにゃ? そうか俺達のかぁ」
思い立ったようにスッと立ち上がるとそのまま家の形のクッションの方へてくてく……
「しゃー!! フー!! にゃー!!」
凄い顔したひろみにゃんに怒られるチャラスケ。
そのままUターンしてごまの元に戻ってくると、丸くなった。
「怒られたにゃ……」
「バカだにゃ」
クスンと泣くように話すチャラスケをなめなめするごま。
そのままコタツの縁で寄り添うように眠る兄弟ねこであった。
子が生まれたばかりの母親にゃんこに近づくとメチャ怒られます(笑)




