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チャラスケと毛皮 挿絵有
サブタイトルの[]は撤廃しましたm(__)m
「かあちゃんあちぃにゃぁ……」
「母ちゃんも暑いにゃよ」
チャラスケ一家の住んでいる家にはエアコンは無い。
夏は扇風機が、冬はコタツとストーブが主戦力なのである。
そして今チャラスケとふーこは扇風機の前に陣取ってどてっと横になって寝ていた。
「そうだ!!」
「にゃんにゃ?」
「かあちゃん良いこと思いついたにゃ!!」
「にゃんにゃ?」
かッと眼を見開いてチャラスケはふーこを見つめる。
「この毛皮脱ぐにゃ」
「死ぬにゃ」
「にゃ?」
「脱いだらにゃんこは死んじゃうにゃ」
「……」
少し黙って見つめ合った親子だったが同時にまたどてっと横になる。
「かあちゃん……」
「にゃんにゃ?」
「脱いでも脱がなくても死にそうにゃぁ……」
「たしかにそうにゃね……」
また少しの沈黙が訪れる。
「かあちゃん」
「にゃんにゃ?」
「この毛が……」
「しぬにゃ」
なんてことをしばらく言いあうチャラスケとふーこだった。
この堂々巡りの話はご主人様が扇風機を首振りするまで続いたのでしたーー
暑い夏に毛皮を着る動物たちの心の悲鳴です(笑)




