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ウォーターバレット  作者: 柊谷
第1章
9/15

共闘

今回かなり長いかもです!!!

メラメラと燃えた炎は勢いが衰えず、今もなお桐島の周囲で燃えている。

桐島は左手を水間達の前に差し出した。

すると、周囲で燃えていた炎は水間達に襲いかかってきた。

2人が避けると、背後にあった木に当たり燃え出す。



「オイ、避けるんじゃねぇよ。燃えりゃ

一発であの世に逝かせてやれるんだぜ?」



桐島の表情は先ほどの怒りとは別に真顔となっており、何か恐怖が感じられた。



「またさっきみたいに逃げられちゃあめんどくさいから…こうするか」



桐島が指を鳴らすと、水間から5メートル離れた位置に炎が現れ、周囲に燃え広がる。

サークル状に燃え広がり、サークルの中には桐島、水間、謎の人物が取り残された状態となった。



「お主…名は何と申す?」



この状況に混乱していた水間に対して謎の人物は名前を聞いた。



「えっ!?えーっと…大谷水間って言いますけど…」


「そうか…私の名は朴月(ほおづき)剣心(けんしん)と言う。これから奴を倒す為には協力が必要じゃ。名前を知っている方が行動しやすかろう」



そう言って朴月は腰に手を当てる。

何かを握るように手を動かすと、その手の内にジワジワと日本刀のような物が姿を現した。



「ほ、朴月さん…その刀は?一体どこから…」



水間と桐島は驚いた顔をして朴月の方へと向いていた。



「これは私の異能で【迷彩(カモフラージュ)】と呼んでいる。見た通りの異能じゃよ」


「透明に出来るなんて凄い能力ですね!俺の能力なんて水を操る程度ですよ…」


「何を言っている。お主の異能の方が応用が利くではないか!私の異能は相手にタネが割れると相手を無駄に警戒させてしまう一度きりの異能じゃぞ。」



2人が桐島の存在を忘れて話していると、水間の近くに炎が飛んでくる。



「お二人さん…仲良く話して勝ったつもりか?悪いがこのサークル内ではお前達は圧倒的に不利だぜ?」


「確かにこのサークル内での決闘は私としても不安じゃ…だがそれは1人の場合じゃ!水間殿の異能があれば、こんな炎は余裕じゃわい!」


「ほぉ…ならやってみろよ!!!」



桐島は怒りと共に炎を周囲に撒き散らす。

辺りには火が燃え広がり、呼吸も苦しくなってきた。



「水間殿、このままじゃ肺がやられてしまう…短期決戦じゃ。私が奴に向かって走りだしたら君は飛んでくる炎を君の異能…水を使って相殺してくれ…頼む」



朴月は小声で水間に頼んだ。

水間は少々不安を覚えるが答える。



「あぁ、出来る限りの努力はさせてもらう。しかし、本当に大丈夫なのか?」


「あぁ、炎は酸素と接触して出来ている。水で周りを囲うなりなんなりして酸素との接触を無くせば消えるはずじゃ…では頼んだぞ!」



そう言って、朴月は刀を手に桐島の方へと走り出した。



「飛んで火に入る夏の虫とは正にお前の事だなぁ♪」



朴月を待っていたかのように、朴月に炎を飛ばす。



「水間ァ!!!」



朴月が叫ぶ。

水間は桐島が放った炎よりも少し多めの水弾を飛ばす。

水弾は火球と接触し、ジューっと音を立てて消える。

桐島が舌打ちをすると、次々に火球を飛ばし始めた。

それと同時に水間も水弾を飛ばす。



「良くやった水間!褒めてつかわす!」



そう言った朴月は既に桐島との距離を刀の間合いまで詰めており、今にも斬り裂こうとしていた。



「クソが!お前も一緒に逝ってもらうぜ!」



桐島は間合いをさらに詰めた。右手には炎を(まと)わせており、その手は朴月の顔目掛けて伸ばされていった。



「朴月さん!!!」


「分かっておる!」



朴月は居合術によって、伸ばされた桐島の腕を斬る。



「グワァァァァァアア!!!!」



桐島の腕は斬り落とされ、地面に落ちたと同時に手を纏っていた炎も消えた。

桐島の腕からは血が流れ出し。

あまりの激痛に、桐島は叫びながらその場に倒れ込む。

目の前で起きた凄惨な光景を目にした水間は口元押さえながら目を背ける。

朴月は布で刀の血を拭き取ると(さや)

に収め桐島に近づく。



「どれ、止血してやるから腕を差し出せい」



そう言いながら朴月は(ふところ)にしまっていた縄を取り出し、腕に巻いた。



「すまんな、こんな物しかなくて。自警団に連絡した後に救急隊を呼ぶからな。待っておれ」



そう言って携帯を取り出して電話を始める。

数分後、朴月は携帯をしまい水間に近づく。



「お主、怪我はないか?」


「俺は大丈夫です…それよりアイツは」



水間は桐島の方を振り向く。

桐島は縄で絞められてからは何とか痛みに耐えようとしている様が見える。



「あやつの事は心配するな。今から山を下って救急隊と合流する。それに…お主も運が悪ければ火だるまとなり、死んでおったのだぞ。」



言われてみれば確かにそうだ、と水間は冷や汗をかきながら頷く。



「さてと…そろそろ山を下るとするか。オイお主、立てるか?肩なら貸してやるぞ」



桐島はヨロヨロと立ち上がるとフラフラとしながら歩き出した。



「あくまで敵に肩を貸すつもりはないか…その精神には天晴れじゃな」



そうこうして無事に山を下った水間一向は救急隊に桐島を預け、水間と朴月は水間の自宅の近くへと歩いって行った。

家の近くに着くと、朴月は話し出した。



「ふぅ…しかし、次のワシの家はどうするかのぉ…アテもないしのぉ。…まぁ、成るように成るか」


「いやぁ、助けていただいて本当にありがとうございます。朴月さん」


「いや何、気にすることはないよ。家を燃やされて腹が立ったのもあるしの!」


「ではワシは次の拠点を探すとしようかの…達者でな!」



そう言って朴月は歩いて行った。

水間は朴月の背中を見えなくなるまで見届けると自宅のドアを開ける。

ドアを開けるとリビングの方からドタドタと大きな音を立てて誰かが近づいて来る。

リビングのドアを開けてこちらを見たマリアは驚きの声を上げた水間の方へと走りだし。



「水間ァ!遅かったね!どうしたの!?まさか例の不審者に襲われたの!?」


「いやまぁ、そんなところなんだけどさ…それより、卵無くしちまった」


「そんな事はどうでもいいよ!あぁ!水間が無事で良かった!!私帰りが遅いから心配したんだよ!?」


「すまない。因みに今は何時だ?」


「今はもう18時だよ!ご飯はまだ作ってないから今からすぐ作るね!!」


「先に風呂に入らせてもらうよ…今日は色々あったし」



こうして水間の命懸けの1日が終わりを告げた…

次からは新章に入ります!!

(こういったことってあまり書かないほうがいいのかな…?)

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