公園の2人
第5話です!物語もそろそろ熱くなってきたかぁ!(いろんな意味で)
太陽はまだ真上にあり、光と熱に照らされながら男2人は公園のベンチに座った
「ほら、今日は暑いから水分補給はしっかりしなきゃね!」
と言い、近くで買ってきたであろう水を水間に差し出す。
「あぁ、こんな暑さじゃ干からびちまうよ……所で話を戻すが…」
と、水間は彼の火傷があった部分見つめる。
「まぁ焦らないでくれ…この傷は先月の帰り道、黒いフードを被った男に急に襲われて出来た火傷だよ。」
「まて、その説明だけじゃ火傷の理由がわからない。どうやってやられたんだ?火炎放射器か?」
「そんな物騒な物ではないよ!…そう、奴の手を炎が纏い…俺の腕に触れたッ!」
彼は急に立ち上がりながら大声を上げて言った。周囲の視線がいたいのがわかる。
「お、落ち着け!取り敢えず水飲め水!」
「…あぁ、すまない。つい興奮してしまった」
と言い、再び座って深呼吸をした。
「そう…彼は能力者だ…さしずめ火を操る能力なんだろうね」
「そうか…能力者か、自警団はこの事件に動いていないのか?」
「駄目、彼奴らは他の事件に忙しいよ。まだ大ごとにはなってないみたいだし、優先事項が低いのかもね」
そう言って青年は水を一口飲み、水間を見つめる。
「な、なんだよ急に見つめ出して…俺はそんな趣味はないぞ?」
と、水間は身構える。
「そんな、僕も趣味じゃないよ!…ただ気になることがあって」
「(ほっ、違うのか)で、その気になることってのは?」
「いや、何故不審者が気になるのかなって思ってさ…どうしてだい?」
青年はよりいっそう顔を近づける。
「い、いやほら。なんていうか…そう!気になる!やっぱりここに住んでるからには気になるもんだよ!」
何故このような態度を取ったのかは水間にも分からなかった。
「ふぅーん…じゃあ僕はお昼だからそろそろ帰るよ!さっきからお腹が空いてさ」
そう言うと双方のお腹が空腹の鐘を鳴らす
「…じゃあ俺も帰るよ。色々情報ありがとうな」
「ははっ、じゃあな!…気を付けて!」
「おいおい、そんな不吉な事言うなよ!1人で帰るのが怖いじゃねぇか!」
「ははっ!こんな昼間から襲う奴なんていないよ!では!」
青年はそう言い残し、走り去って行った。
(なるほど…火を操る能力者ね。さらに暑いのは勘弁だな)
そう思いながら水間は彼と反対の道を歩んで行った。
数分後、彼は迷っていた
(やっべぇ…こんな道通った事ないぞ!?確かこっちだったよな…)
としばらく彷徨っていると、声をかけられる。
「おい、さっきからウロチョロしているが…何をしている?」
「いやぁはっはっ、道に迷いまして…」
と苦笑いしながら声の主へと顔を向ける
「!?」
水間の目に飛び込んできたのは、黒いフードを被っている例の不審者の姿が見えた。
微かに見える口元が…笑ったように見えた
「やっべぇ」
そこから水間の記憶は途絶えてしまった。