ありふれた日常
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「ふぁ〜、眠い…」
そう言いながら歩くこの男、大谷水間は現在遅刻をしている。
重い腰を何とか持ち上げ、いつもの通学路を歩いているところだ。
「よう水間!お前も遅刻か?」
突然声をかけられ、後ろを向く
そこにはやはりと言うか何というか、期待を裏切らない数少ない水間の友人、紫村友則の姿があった。
「あぁそうだよ、お前は遅刻するって分かってたからな。行く道一緒だし…合わせた」
そう言うと紫村は笑顔でこう答えた
「そうか!そんなに俺と一緒に行きたかったのか!まさかお前がそんな事を言ってくれるとは嬉しいな!」
そう言って紫村は水間を担ぐ。
「おいやめろ!降ろせ!恥ずかしいんだよ!第一、お前と行くのはついでだついで!早く降ろしてくれ!」
「はははっ!可愛いやつめ!俺が連れて行ってやる!」
紫村は水間の拒否を拒否し、走り出す。
水間は顔を覆いながら「もういっそ殺せ…」と呟き、精一杯の抵抗を見せるが無駄に終わる。
しばらく走ると学校が見える、紫村は「ついたぞ」と笑いながら言い、水間を降ろした。
「…今度やったらぶっ飛ばす」
水間はそそくさと門へと向かう
その後ろを紫村が追いかける。
水間は門の目の前に立ち、初めて認識する。
『閉まっている』と……
「あちゃー、閉められたか…登るしかないな」
追いついた紫村はそう言って、門を登り始める。水間もそれに続いて登ろうとした時…
「おい」と後ろから声がかかる
水間達は恐る恐る後ろを振り向く。
そこには大鳥和馬が立っていた
「なんだ大鳥か…脅かすなよ」
「驚かすつもりはなかったんだがな…」
水間達は安堵の息を漏らし、改めて大鳥を見る。大鳥は私服でこちらを向きながら呆れているのが分かる。
(ん?何で私服なんだ?それに優等生の大鳥が遅刻なんて…)
この時、水間はある1つの推測をする
(まさか…そんなまさか!?もしかして俺はとんでもないミスを犯していた…!?)
水間は大鳥に問いかける
「今日って…学校休み?」
大鳥はその問いを聴き、ため息を吐きこう答えた。
「今日は創立記念日だ。休みだぞ」
その言葉を聞いた水間、紫村の2人は登りかけていた門から落ち、青空に向かって叫んだ。
「「やっちまったぁぁぁぁぁぁ!!!」」