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ウォーターバレット  作者: 柊谷
第2章
14/15

少女

半年も空いてしまって申し訳ありません!

最新話です!どうぞ!

「……少女?」



クリスは声を発した少女を見る。

体のあちこちには傷跡があり、両手を上にして柱と手錠で固定されている。



「貴方は…誰?……どうやってここに…」



声量から察するに、かなり体力が落ちていると分かる。

クリスはそっと近付き、声を低くして話す。



『俺はクリスだ。ある人物を追ってここまで来た。……君はどうしてこんな所で捕まっているんだ?』


「私……この山で遊んでいたら急に知らない人たちが私を攫って、こんな押し入れに閉じ込められて……」



少女は話しながら震えている。

その行動で、彼女は恐怖し怯えていたであろうことが分かる。



『そうか……それは災難だったな。だがもう大丈夫だ。君を助ける』



そう言ってクリスは襖に手をかける。



「ど……どこに行くの?」



少女は不安そうに問う。



「少し……悪党を懲らしめに行く」



クリスはそう言うと、拾ってきた自動小銃を構えて襖を一気に開けた。


襖を開けた先の空間には黄色い布を巻いた武装人間が2人と、赤い布を巻いた人間が無線機を前にして調整していた。

突然の音にビックリして3人が振り向くが、既に遅かった。


先手を取ることに成功したクリスはまず、黄色い布を持った男に小銃を放った。

ドドドドと轟音を鳴らしながら、武装人間は体に何発もの銃弾を受けて吹き飛び、絶命した。


もう1人の武装人間が銃を構えるが、クリスの方が速かった。

先程と同様に銃を放ち、蜂の巣にされて崩れ落ちる。


あっという間に2人の部下を失った男は戦意喪失。

クリスに銃を向けられて怯えるのみだった。



「今から言う質問に正確に答えろ。分かったな」



クリスは銃を向けながら、男に言う。

男はぶんぶんと首を縦に振る。



「よし……まず1つ目だ。ここで何をしている?」


「ここは通信施設だ……本部と連絡している。」


「本部はどこにある?」


「それは……」



「答えろ」と、クリスは小銃をさらに近づける。

指はトリガーに触れており、いつでも発砲できる。

男は「ヒッ」と声を漏らす。そして答える。



「ほ、本部はこの山のどこかにある…正確な場所は分からない……本当だぞ!」



男は必死に答える。



「そうか……次の質問だ。お前は 草薙浅葱 という女性を知っているか?」


「しらない……だが、本部に行けば何かわかるかもしれない」


「そうか、質問は以上だ。」


「じゃ…じゃあ助けてくれるのか!?」



男は生き残れたと期待しながらクリスに問う。



「あぁ…そうだな」



クリスはそう言うとトリガーを引き、発砲する。

弾丸は男の顔を貫き、一撃で屍と化させた。



「悪いが助ける義理はない。こっちも命がかかっているからな。」



男は無線機に目をやる。

すると、近くに鍵が置いてあることに気づく。



「あの手錠の鍵か?」



クリスは再び押し入れの中に入る。

そこには相変わらず少女が繋がれていた。



「お兄さん……さっきの銃声は…なに?」


「……気にするな。」



クリスはそういいながら、手錠の鍵穴に鍵を差し込む。

鍵はすんなり回り、カチャっと音と共に手首から外れて落ちていく。

両の手が自由になり、少女はクリスに抱きつく。



「怖かった……っ!」



少女は涙目になりながらクリスに抱きついていた。

クリスは安心させるように、頭を撫でる。

しばらくの間、この行動が繰り返されていた。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「水間ぁ……さっきの音は何?……」



マリアが不安そうに話す。



「銃声…中で何が起こっているんだ?」



4人が不安になって待っていると、家の後ろからクリスと少女が現れた。



「あの少女は誰だ?」


「怪我をしているようだ……」



マリアはその様子を見て飛び出して行った。



「あっ!おいマリア!」



水間がマリアを追いかけて飛び出す。

それに続いて、紫村と大鳥が飛び出した。



「クリスさん!無事でしたか!それにその子は…?」


「あぁ、俺に怪我はない。それと、この子があの小屋で捕まっていて助け出してきた。」



少女はクリスにギュッと抱きついている。

その様子から、大方察することが出来た。



「その子……怪我をしていますね。私に任せてください!」



マリアはそう言うと、彼女の手を握る。

すると、彼女たちの周りを光が包み込んだ。

クリスはその光景に驚き、少女は戸惑っていた。

しばらくすると、異変に気付く。

少女が負っていた怪我が見る見るうちに治っていく。

クリスと少女は驚き、不思議そうに見ている。



「……しかし、いつ見ても凄い能力だよな」


「あぁ……マリアの能力《治癒》には俺も助かっている」



治癒が終了すると、周りを包んでいた光が消えていった。



「ふぅ…もう大丈夫だよ!」


「あっ…ありがとうございます」



少女は照れくさそうにお礼を言う。

それを見て、マリアもニッコリ笑った。



「あー……仲良くなったところ悪いが、お嬢ちゃん。ここは危ないから直ぐに山を降りるんだよ。いいかい?」



少女はうんうんと首を振りながら、クリスに教えて貰った道を走っていった。


少女を見送ると、クリスは4人に振り向いて話し出す。



「この山のどこかに奴らの本部を見つけた。今からそこを探そうと思う。」


「あぁ、分かったよ。」



水間達はそう答えて、また山の中を探索していくのだった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


ジジジジジジジジ………

どこかで無線の音がする。



「クリスを見つけたわ。えぇ、分かってる。」



その人物はクリスの名前を無線に出す。

その後通信を切り、再びどこかに向かっていった。

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