巻き添え
いいペースで書けていると思います!
この調子で書けていければどんなに良いものか…トホホ
水間がクリスに追いつくと、先ほどの質問を答えるように指示した。
「…さっきの男は正直言って、俺にも分からない。昨日の夜から何者かに追われてはいたのだが、あんな奴は見たことがない。」
「そんな…」
一同は訳も分からず走らされ、怒りが募る。
クリス達は住宅街を抜け、人気の無いところへと進んで行く。
前方には森林が見えてくる。
先頭を走るクリスはその森林へと入って行くのが見えた。
それを見た紫村が話す。
「おいこの先は森林だぞ?日が出ているとはいえあんまり入りたくはねぇな…」
「確かに…この森林では最近、行方不明者が続出している事だしな」
4人が躊躇しているとクリスが振り向いて大声で呼びかける。
「おい!何故立ち止まる!早く来い!これだけ木々が生い茂っていれば隠れられる!」
「…俺は今更ながらアイツが怪しく見えてきたぜ。さっきの奴とはグルだったんじゃねぇか?」
「紫村にしては良い推測だな。丁度私もそう思っていたところだ。どうもきな臭い。」
(確かに…いざという時は覚悟しないとな)
4人は躊躇しつつもクリスの後に続いて行った。
しばらく走っているとクリスが立ち止まる。
「よし、ここまでくれば一安心だな。…先ずは謝っておこう。」
4人は頭にハテナを浮かべる。
するとクリスは4人の前で土下座をし、謝罪する。
「みんなすまない!俺の不注意により君たちを巻き込んでしまった事を心底から後悔している!!君たちの安全は俺が必ず保証する!だから……俺と一緒にある人物を探して欲しい!!!」
水間達は言葉を呑んだ。
しばらく辺りに静寂が訪れ、それに割り込むように水間がクリスに話しかける
「…その探し人ってどんな人ですか?」
「おい水間っ!」「正気か!?」
水間の言葉を聞き、紫村と大鳥が驚く。
「…手伝ってくれるのか?」
クリスが顔を上げ、水間を見上げる。
「…貴方の言う通り、私たちは追われる身になってしまったんですよね?このまま家に帰って恐怖に怯えて毎日過ごすより、彼の問題を解決した方が安全なんですよね?」
「あぁ!君たちの安全は俺が保証する!」
「…という事だみんな。大丈夫か?」
水間は後ろの3人に確認を取る。
その目には決意の表れがあるのが分かる。
「ったくしょうがねぇな…確かに水間の言う通りだ」
「ふん…まぁそれが今考えられる最善の策だろうな」
「わ、私はクリスさんを助けたいから手伝いますよ!」
4人はクリスの探し人を見つける手伝いをすることにした。
それを聞いたクリスはまた頭を下げ感謝する。
クリスは立ち上がり、みんなと今後の計画を立てることにした。
計画の内容としては…クリスが目星をつけている付近の捜索が主となっており、戦闘になった場合はクリスを呼ぶ事になっている。
「よし、それじゃあ探索を始めよう。先ずはこの森林を抜けて山に行こう。そこが俺の目星に付けた場所だ。」
一同は来た道を引き返し、森林を出ることに成功する。
山へ向かう途中、右の通路にある水間の家を見てみるとそこにはたくさんの武装した人間が立っており、辺りを見回したりして何かを探している様だ。
「みんな見てみろ。あそこに留まっているとお前達はアイツらに捕まっていたんだ。…すまない」
そう言ってクリスは気づかれないようにと裏道や遠回りをして何とか山へと辿り着こうとした。
道中、何人かの武装人間を見かけたが何とか回避して行き、遂に山の入り口に辿り着く事が出来た。
「遂にここまで来たか…空はまだ少し明るいが大丈夫だろう。よし入るぞ」
一同が入ろうと路地から顔を出そうとするとクリスが何かに気付き腕を横に伸ばす。
目の前には武装人間が歩いており、山の中へと入って行くのが見えた。
「やはりここで間違いないか…」
クリスはそう確信を持ちつつ、武装人間に気付かれない位置を取りつつ4人と山へと入っていった。