表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夢現、論理破綻

作者: 久代 羽稀

クラスメイトO氏の発言を基に作成。逆説的な手法を取らせていただきました。

ほんと僕はなんてことをしでかしたのでしょう……。

『私には夢がある』

知らない人間の方が少ないであろう、どこぞのお偉いさんの言葉だ。どんな夢だったかは忘れた。

でも、夢を高らかに謳う彼を――あるいは彼女を、いったい誰が馬鹿にしたか。そう。はじめてそのスピーチが行われてから今まで、誰一人として夢の善性を疑いはしなかった。口先で疎むような言葉を吐き続けようと、それが嫉妬から来るものだと気づける者はいなかった。

だから、俺が初めて否定することにする。

夢は得てして足かせになる。心に決めた夢はその他の、持ち得て、為し得た夢の数々を切り捨てる。数々の選択を、人は、自らに課すのではなく夢に委ね続ける。そしていつしか、多くの夢が破れ去る。

一度自らに聞いてみるといい。


「一体お前の夢はどれほどのリスクがあって、どれほどのリターンがあって、どれほどの人を傷つけて、その後に何が残ったのか?」


時々勘違いされるが、夢と目標は違う。決定的に違っている。

目標は、見据えることができる「めじるし」だ。目指すことができる。通過点に過ぎないのだ。目標の繋がりこそが人生と言えるだろう。

転じて夢は、思い描くことができるだけだ。目を閉じて眠れば没入できるが、そこに実体はない。実体を求めて目を開け、手を伸ばせば、夢が醒める。

最後に問おう。


「お前は何を見た?」

他の参加作品にも目をお通しいただければ幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 夢は思い描くもの、目標はそのために立てるもの。 破れても、新たに紡ぐ事ができるもの。それが夢。 そうやって生きて参りました(笑) 「思考する、思索する」そういう時間を頂きました。ありがと…
[一言] 私の場合、 「俺は地獄を垣間見た。今は夢を持って未来を見ている」 って感じでしょうかね。 世の中には現実的に物事を捉えて、夢を持たない人がいます。 「夢はいくつ持ってもタダ」と言ったミュー…
[良い点] 何回か読み返しました 考えさせられる内容だと思います 目標が目印であれば、夢は希望だと思います たとえ現実にならなくても信じることで前に進めるのでは、と思ってますが、善性を否定する立場から…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ