第1話 はぁー。つかれたー。(にこにこしながら)
とってもとっても大きな愛。百年働くひとりぼっちの小さなロボットの女の子のふう。
はぁー。つかれたー。(にこにこしながら)
もうずっと動き続けてきたきがする。
いっぱいいっぱいがんばって働いたな。
どれくらいの時間がたったんだろう?
百年くらいかな? もっとかもしれない。(二百年くらいかも? そんなことないかな? やっぱり百年くらい)
小さなロボットの女の子のふうの小さな体はどこもぼろぼろでした。自分で手当てをしたりしたのですけど、もう限界みたいで、手も足も、あんまりうまく動かなかくなってしまいました。
ずっと使ってきた愛用のスコップもぼろぼろで、(スコップには水色の可愛らしい絆創膏が貼ってありました)着ている水色の丈夫なコートもぼろぼろでした。水色こコートもふうが自分で(不器用で上手じゃなかったけど、がんばって)ぬってなおして、つぎはぎになっているところがありました。
とっても丈夫な靴にも穴が空いてしまっていました。
ふうは小さなお家のすぐ近くにある大きな木(初めて植えた木というお名前の木でした)に背中をつけて緑色の大地の上に小さな足を伸ばして座っていました。
世界にはとっても気持ちのいい風が吹いています。
ふうは青色の空を見ました。
(今日は本当に、とってもとってもいいお天気でした)
それから、ふうは博士のことを思い出しました。
大好きな博士。
博士はいつもふうの心の中でにっこりと幸せそうな顔で笑っていました。
博士。
わたしすこし疲れちゃいました。
ちょっとだけ眠ってもいいですか?
なんだかとっても眠たいんです。
博士。
博士に会いたいな。
眠ったら、夢の中でまた博士に会えますか?
博士に会えたら、とっても嬉しいです。
ふうはなんだか、とってもぼんやりとして、うとうとしてしまいました。
もう、大きな瞳を開けていることができなくて、ゆっくりとふうは青色の空を見ることをやめて、大地に向かって顔をさげて、大きな瞳を閉じました。
すると、そんなふうの大きな瞳から、大粒の涙が溢れて大地の上にぽろぽろとこぼれ落ちました。
あれ。どうしてだろう?
涙が溢れてきて、とまらない。
どうしてだろう?
わたし壊れちゃたのかな?
博士。
涙がとまらないんです。
どうしても。どうしても。
止まらないんです。
博士。
お願いです。
博士。
わたしに会いにきてください。
ひとりぼっちは寂しいんです。
博士とずっと一緒にいたいんです。
……、博士。
ふう。もういいんだよ。長い間、本当にありがとう。
もう、がんばらなくてもいいの。
大丈夫だよ。
ふう。
偉かったね。
よくがんばったね。
ほら。こっちにおいで。
いっぱい、いっぱい抱っこしてあげるから。
ふうのお仕事は『森を育てて、森を守ること』でした。
ふうはそんなお仕事をひとりぼっちで、もうずっと百年くらいの間、(体がぼろぼろになるまで)続けていました。
だからふうのいるところは緑色でいっぱいでした。
大きな森が大地の上には、ちゃんとありました。
ふうが育てて、守ってきた森です。
ふうは動かなくなりました。
世界には優しい風が吹いています。
その風が森の緑の葉を、小さく揺らしていました。
それはとてもお天気の良い日のきらきらと世界が美しく輝いている朝の時間のことでした。
ふう。愛してるよ。
はい。博士。
わたしも博士のことが大好きです。




